「監督」や「コーチ」が言うことは疑え!

「監督」や「コーチ」が言うことは疑え!

少し強烈なタイトルをつけてしまったので、大前提として以下のことは注意しておいてください。

それは、

・「監督」や「コーチ」があなたのことを意地悪して下手にしようとは思っていない
・常識の中にも正しいことがある

という2点です。

この2つの考え方を持った上で考えて欲しいことがあります。

それは、

あなたがどれくらい本気で野球を上達したいと思っているか

です。

「監督」や「コーチ」は、「チーム」をまとめ、全体を把握しながら動かざるをえないような立場にいます。

つまり、

たった一人の選手だけに、個別に細かい「指導」や、その選手ごとの「長所」や「短所」を指摘し、修正していくことは不可能に近い状態である

ということです。

全ては「チームが勝利する」ために取捨選択をしていっています。

また、「監督」や「コーチ」も「人間」なので、肌が合う人もいれば合わない人もいます。

できれば指導者の立場に立つのであればやって欲しくないことですが、

自分のやりたいように経験したことを伝えたり、少しだけ勉強してきたようなことをアドバイスする

ということが往々にして起こりえます。

しかし、その助言が一方向からしか検証されていないことであると、目の前の選手にたいして当てはまることなのかも分かりません。

人間の身体は一人一人異なるため、一般論や常識はあくまで確率論的に当てはまる可能性が高いだけです。

そして、必ず異次元の結果を残す選手というのは、一般論や常識の枠外にいる人間です。

これらを考えた時、

本気で上達していきたいのであれば、「監督」や「コーチ」の意見を鵜呑みにせず自分で検証する癖付けが必要

です。

他人の意見は自分で一度よく考え、自分にとって「メリット」があるのか、「デメリット」なのかを一つ一つ判断し、決断していくことが大切です。

一般的に「常識」とされる練習にも罠があります。

昔から言われてきた練習や、昔に主流として行われてきた練習が、今もベストなやり方なのかと言われると絶対ではないはずです。

それは、さらに新しい有効的なトレーニング方法ができたこともあれば、現在の選手の生活スタイルに適していないこともあります。

もっと言えば、

「常識」と言われている練習は10年後には「非常識」となっていることの方が多い

ということにお気づきでしょうか?

そんないい加減な根拠のものを、一度きりで短い野球人生の中で行うことはバカらしいと思いませんか?

自分で考えて選択すれば間違ってしまうこともあるでしょう。

しかし、選ばなくても最後には失敗するかもしれません。

未来は誰にも分りません。

そんな中で、後悔しない方法は、「自分で考え、自分で検証し、自分で実行する」ということを行うことです。

自分でやっていれば、最後に人のせいにすることがないため、失敗したとしても意外とすっきりしているはずです。

とくに現在の野球界は、日本でも異質なほど過去の歴史や常識に凝り固まってしまっています。

冒頭でも述べた通り、「常識」の中に「今もまだ正しいこと」は存在しています。

しかし、簡単に論破されてしまうような「野球界特有の常識」もたくさん存在しています。

あなたが本気でプロ野球を目指したくて野球をやっているのであれば、「監督」や「コーチ」が言っていることも一度疑ってみることをおススメします。

本当に優秀な指導者であれば、そんな時期も大目にみてくれるはずです。

決して礼節を欠けと言っているわけではないことをご了承ください。

ゴロを打てより遠くに飛ばせがこれからの常識

例えば、「バッティング」で言えば、「ゴロを打て」、「上から叩け」というアドバイスが野球選手の未来を潰してしまっていると常日頃お伝えしています(『ダウンスイングの真実 ~上から叩くな、ゴロなんか狙うな~』)。

しかし、その事実をお伝えする度に必ず批判の声が上がります。

幼少期であればあるほど、エラーをする確率が高いため、ゴロを打った方が勝利の可能性を高められるからというのが根拠のようです。

ただ、その意見に対しては考えて欲しいことがあります。

それは、

幼少期の内に勝率にこだわった野球をしていて選手が本当の意味で成長するのか

ということです。

「野球肩革命所」では、

「少年野球」、「中学野球」、「ボーイズ」、「リトル」、「高校野球」の内は、チームの勝利より個々の能力開発を行うべき

だと考えています。

「監督」や「コーチ」の立場を考えれば、それはできないのかもしれません。

しかし、選手は純粋に野球がうまくなりたくて、プロ野球選手になりたくて「野球」をしています。

ただ、現在の野球界では、「プロに行く条件」として全国大会、つまりは「甲子園」に行くということが大きな条件として存在していることは理解しています。

それでも、「チーム」が勝利するために、「プロの道」を断念させてでも我慢させる風潮は、日本の野球界を象徴しているのではないでしょうか。

その結果として「考えることができない野球人」を生み出しているように思えてなりません。

以前、とある著名な家電量販店の社長が言っていました。

その家電量販店では軟式野球チームを所有しており、そこでプレーする選手に対して発言した言葉です。

「野球選手は自分の考えを主張しない。さらには考えることすらしないで言われるのを待ち、言われるがままを素直に行動してしまう。これでは世の中生きていけない」

この言葉を「野球」のことを知らない人が言っているから関係ないと思うでしょうか?

野球選手は長く現役を続けられても40歳前後です。

しかもそんな選手は極わずかです。

つまり、野球に関わらない人生の方が大半の選手が長くなります。

実際に、プロ野球を30歳が過ぎて引退した選手の大半は路頭に迷ってしまっています。

これからの野球界は、

自分で考え、検証し、実践していくことを繰り返すことができる選手を増産し、多くの人が本気でプロを目指すような選手を増やす必要がある

と思うのは私だけでしょうか。

そのための分かりやすい第一歩が

ゴロなんて狙ってないで遠くに飛ばせ!

という一言に集約されているように思えてなりません。

決して「勝つこと」を諦めろと言っているわけではありません。

むしろ、こちらの方が結果的には勝率を高めると考えるのは私だけでしょうか。

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