その筋トレって何のためにやってるの?【投手編】

目指せ未来のボディービルダー??!

「速い球を投げるには、何をおいても筋トレだ!」

ということで、みなさん日々筋トレを繰り返されていることと思います。かくいう私も現役時代には毎日毎日筋トレを繰り替えし続けておりました。

輝かしい未来をイメージしながら、自分の筋力と対話し、歯を食いしばって、己と闘う毎日でした・・・。

と、この文章だけみたら完全にどこかのボディービルダーですよね(笑)

でも皆さん、よく考えてみてください。皆さんも似たり寄ったりのご経験ってありませんか?筋力をつければ、遠くにボールを投げられたり、打球が飛ぶようになったり、足が速くなったり・・・と考えて、重いダンベルやベンチプレス、腹筋運動を繰り返したり・・・など。

今、私は現役を離れ、青山にて累計7万人以上の方を治療院にて施術し、若干なりとも医学や物理学を学んだ身として自分の過去も含め、本来の意味とずれてしまっているな、と気づかされることがたくさんあります。

タイトル的に「筋トレ」批判とも捉えられないような内容ではありますが、決して意味がないわけではなく、目的意識あるいは、自分が「野球選手」として結果を残すためというところに意識をおいて「トレーニング」することが大切だと言いたいわけです。

筋肉の本来の働きとは?

少し、小難しい話になってしまいますが、「筋トレ」を語る上で、「筋肉の働き」に触れないことには話が始まらないので少々お付き合いください。ふーん、そうなんだ、ぐらいで読み進めてください。

さて、筋肉の働きには様々な働きがありますが、大きくわけると5つの役割があるといわれています。

  1. 運動機能
  2. 筋ポンプ機能(血液循環)
  3. 熱生産機能
  4. 体温調節機能
  5. 体保護機能

これら5つの機能をもとに筋肉くんたちは日々働いてくれています。一つ一つの機能についての説明はここでは割愛させて頂きますが、この中でも野球選手にとって重要な機能は「運動機能」です。

筋トレの歴史

筋トレってそもそもどれくらい前からあるかご存知ですか?実は意外と歴史は浅く、アメリカから30年以上前に入ってきました。

重たいものを沢山上げたり、引っ張ったり、押したりすることによって、『筋肉に力を入れて』何か動作をするという形式のものです。

これぞ筋トレ、ウエイトトレーニングってヤツですね。今現在でも高校や大学ではがっつり取り組んでいるところもあると思います。少し進んだところでは、野球に生かせる筋トレを意識し始めているところもあるでしょう。

そうです、『野球に生きる』ということがここでのポイント。このアメリカから入ってきた、いわゆる「筋トレ」が野球に生きるのかを少し考えてみましょう。

ピッチングする時には筋肉に力はいれない??!

さて、みなさんに質問です!

ピッチングでで球をリリースする最中に筋肉に力を入れていますか?

さて、これは難問です(笑)いれていなければそもそもボールもグラブももてません。ただ、ここで私が聞きたかったのは、「意識して」力をいれているかということです。力をいれているというよりも、「力が入っている」という感覚ではないでしょうか。

何を細かいこと言ってるんだって話だと思いますが、これが意外と重要なことです。

筋トレで「力を入れる」練習を覚えこまされた筋肉たちは、実際のピッチング時には「力が入ってしまう」状態でリリースしているので、うまく働いていません。これは神経の伝達の問題にもなるので、本題とそれるので割愛いたしますが、

「意識的に動かす筋肉」と「自然に動かす筋肉」はまったくの別物

ということがお伝えしたいわけです。

筋肉は勝手に動き出す

筋肉は体の各々の末端を重さとして伸ばされたら自然と縮むという特性をもっています。

ピッチング時の動作でいうと、

ステップした際に、引き延ばされる筋肉くん達がいます。その筋肉くん達に適切な負荷がかかることであとは「無条件」で筋肉たちは縮もうとします。その結果としてバットスイングの動作が始まります。

つまりは、最初のボールを投げたいという意識的動作である「ステップ」をきっかけに、あとは無意識的にピッチングが始まり、リリースが完了するということです。

ピッチング動作を一部始終、意識的にやってらっしゃる方はさすがにいませんよね(笑)

ここで衝撃の事実は、打者にとって一番重要な、リリースの瞬間、つまり指からボールが離れる瞬間には力をいれている意識はないってことです!

「え?!じゃぁ筋トレで「意識的に動かす」筋肉を鍛えて「自然に動かす筋肉」で打ってるんでは意味ないじゃん?!」

って気づかれた方、さすがです。残念ながらその通り(笑)実際、自分に至っては現役を引退して気づいたのでどうすることもできません(笑)

ボディービルダーのように「意識的に動かす筋肉」を披露される方にとっては有効的な筋トレですが、運動機能やスポーツのパフォーマンス向上を目指す方にとっては、全く逆の動きを筋肉に教えてしまっているということになります。

そう、日本の野球選手はボディービルダー養成所状態になっています(笑)

日本のボディービルダー業界は明るい!・・・なんて笑い話にもなりませんよね(笑)

ではどうすればいいのかって話だと思いますが、そちらに関してはまた後日、お伝えしたいと思いますので、ご期待ください!

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