このページをご覧になっているということは、現在、野球肩に苦しんでいる野球選手か、その選手を大切に思っている関係者の方でしょう。
野球肩革命所は、そんな野球肩に苦しむ野球関係者を一人でも多く減らす目的で運営されています。
なぜなら、運営をしている私自身も現役時代に同じく野球肩に苦しんでいた一人だからです(『野球肩革命所とは』)。
私は様々な名医による診察を受けても、残念ながら野球肩をきっかけに肘の故障にも悩まされ、現役を引退するに至りました。
しかし、その後に医療系の国家資格を取得し、トレーナーとして治療家として7万人以上の患者を診てきて「なぜ野球肩が治らないのか」「なぜ野球肩で苦しむ人が減らないのか」といった原因が見えてきました。
あなたは以下のような疑問を持ったことはないでしょうか。
なぜこれほどまでに医療が進んでいるのに野球肩が完治するケースが少ないのか
なぜこれほどまでに様々な対策が行われているのに野球肩になる人が減らないのか
これらの疑問は、現役当時の私も感じていたことなので、同じように思っている人も少なくないでしょう。
ただ、この疑問に対する答えは簡単です。
それは
行っている解決法や対策の方向性がそもそも間違っているから
です。
ポイントは人間の身体をパーツとして捉えるか全体として捉えているかの違いです。
野球肩が完治するケースが少ない理由
現在では、野球肩の様々な治療が行われています。
それにも関わらず、野球肩から完治する人が増えている実感がある人はほとんどいないでしょう。
その理由は
野球肩の原因を肩関節にばかり求めようとするから
です。
人間の身体とは、どんなパーツでも一つのパーツだけで動作していることはほとんどありません。
あらゆるパーツが複合的に動作することで一つの目的動作を完了させています。
野球で言えば「投球」という動作が「肩関節」だけで成り立っていないことは明白でしょう。
もし全体の複合的な動作の結果が「投球」だと理解できるのであれば、野球肩になる原因が見えてきます。
それは
動作の過程でたまたま負荷がかかる部分が肩関節であったから野球肩になった
というものです。
外的な要因(例えばデッドボール)でした怪我以外での故障の要因は、大半が傷害と呼ばれています。
傷害とは、反復的な動作によって徐々に疲労が蓄積することで発症する故障のことです。
野球肩はまさに傷害の代表格と言えるでしょう。
つまり、
野球肩の痛みの原因は肩関節の炎症であっても、野球肩になった原因は肩関節だけの問題ではない
ということです。
そのため、外科的な処置を施すことで「痛み」を取り除くことができても、野球肩の根本的な原因を解決することには至りません。
野球肩の原因を知れば野球が上手くなる?!
野球肩の原因はシンプルなものではなく、あえてシンプルに言えば、
効率的なエネルギーの伝達が行えていない結果による部分的なストレスの上昇
と言えるでしょう。
少し小難しい言い方をしてしまいましたが、簡単に言えば「投げ方が悪い」ということです。
ただし「投げ方が悪い」と言っても「正しい唯一無二の投球方法がある」と考えるのは危険です。
人間には一人一人最も適した動き方は異なり、野球選手として「投げ方」も千差万別であることが当たり前です。
そしてその動き方は人に教えられるものではなく、自分の感覚で感じ取っていくしか方法は存在しません(『正解の投球フォームを求めると投手として成功しない』)。
投球を例に考えれば、全ての人が考えるべきことは
リリースする瞬間に如何に効率的にエネルギーをロスすることなく伝達することができるか
ということです。
投球の過程でエネルギーをロスすれば、結果として得られるパフォーマンスが低下することは当然ながら、ロスしたエネルギーは各部へのストレスとして身体のどこかに負担を与えてしまいます。
しかも、その負担はより自由度が高く、より弱い部分へと影響を与えます。
つまりは「肩関節」や「肘関節」です(『「肩関節」は「不安定」だからこそ「凄い」 この意味が理解できればあなたは上手くなる』)。
「肩関節」とは人間の身体の関節の中でも、他に類を見ないほど機能性の高い関節です。
「肩関節」の自由度が今のカタチでなければ、人間の生活は大きく制限されていたでしょう。
しかし自由度が高いことは同時に、負担がかかりやすいことも意味しています。
そのため、野球選手が投球動作を繰り返し、エネルギー伝達のロスを繰り返すことで身体に負担をかけ続けると、始めに悲鳴を上げるのが「肩関節」です。
それを証拠に、私が今まで見てきた野球肩の患者は決まって「下半身」が異常なまでに疲労していました。
しかしそれでも野球肩の痛みが激しいため注目がいっていないのかもしれませんが「下半身」が効果的に機能していないことで、投球動作における「肩関節」の負担を増加させていることは明らかです(『野球肩を治療する前に下半身が大切な本当の理由を知ろう。』)。
ここまで身体の仕組みを理解できると、ある一つの究極的な事実に気づくはずです。
それは、
野球人として上手くなるためのことと野球肩を解決・対策していくための方法は同じ
だということです。
目的の動作(投球・バッティング)を最大限にする方法は、最後の一点(リリースやインパクト)に最も効率的にエネルギーを伝えることです。
目的の治療(野球肩や野球肘など)を完遂するためには、エネルギーをロスすることなく伝える方法を知ることです。
つまり、
野球肩の治療と野球選手としての上達は全く相反するものではなく同じ問題として捉えない限り達成できない
ということです(『投手の全ては野球肩予備軍だから上手くなる』)。
治療や対策に関しては、疲労をできるだけ早く回復する手段をプラスアルファで考えなければなりませんが、野球選手がやらなければならないことはシンプルです。
自分の身体を如何に効率的なエネルギー伝達を行えるように使えるかどうかが、野球人が練習しなければならない全てのことです(『ピッチャーのボールが指にかかった感覚の正体』)。
野球肩になる人が減らない理由
ここまで読んできた方であれば、薄々「野球肩になる人が減らない理由」に気づいていることでしょう。
それは
根本的な野球肩の原因を捉え間違っているので、それに対する対処をしても意味がないから
です。
その間違った対処法の代表例は「アイシング」や「インナーマッスルを鍛えること」、「下半身を鍛えること」などでしょう。
「アイシング」で言えば、疲労回復を促進させたいのであれば「痛み」を取り除くことは人間の身体の仕組みを考えれば明白です(『アイシングをしても野球肩の対策にはならない』)。
「インナーマッスル」とは関節の中での役割を知れば、鍛えるタイプの筋肉でもなければ、むしろ疲労をさせてはいけない筋肉であることを理解できます(『インナーマッスルは鍛えるタイプの筋肉ではない』)。
「下半身」を鍛えれば安定感が生まれるなんてことは大嘘です。
長距離走の体力があっても投手としてのスタミナと無関係なのに、無暗に疲労を高めれば野球肩のリスクを高めるばかりです(『野球肩を治療する前に下半身が大切な本当の理由を知ろう。』)。
今も昔も、対策の方法に変化があっても、根本的な部分を捉え間違っているので、野球肩になる人が減らないのは当然の話だと言えるでしょう。
全ての原因は、野球関係者が人間の身体について学ばず、仕組みを理解した上で練習内容やトレーニング内容を考えていないことです。
有名な監督、コーチ、選手、トレーナーがやったと聞けば取り入れ、自分自身で効果の有無を検証しないことです。
全ての人間に効果のある方法なんて存在せず、そんな存在があれば人間が人間であることを否定することと同義です。
ただし、この野球界の現状は中々根が深い問題で一筋縄では解決しないでしょう(『野球界は思考停止している人ばかり』)。
そのため、ある意味では、本気で野球が上達したくて、本気で野球肩などの故障対策がしたくて、本気で野球肩などの故障を完治させたければ、野球界の常識を疑い、非常識だと言われる方法を遂行する勇気が必要になります(『野球を本気で上手くなりたい人は、自分で考える「個」の力を高めよ!』)。
野球肩は野球関係者が自分で考えないから治らない
野球界は徐々に変化があるものの、縦社会の傾向が色濃く残っている業界です(『あなたはこれからの野球界の変化についていけるか ~野球界の縦社会が崩壊する日~』)。
そのため、先輩や監督から言われることは「絶対」で根本的な問題がいつまでも解決することがありません。
野球とは、良くも悪くも人から教えることなんてできません。
自分の身体の使い方は、自分で探し出していくことでしか分かりません。
唯一教えられることは
人間の身体がどんな仕組みや構造で動いているのかという知識
です。
しかし多くの野球人は感覚でプレーしているので、具体的に説明できる人なんていません。
それどころか、具体的な説明を求めれば「つべこべ言わずに言われたことをやれ」と一喝されてしまうのがオチです。
その結果は、チームから認められずに試合にも出られなくなるか、素直に聞いて潰れていくか、大きくはみ出し大きな結果を残すことで例外的に認められるかの三択しかありません。
最も悲惨なのは、言うことを素直に聞いたのに結果も出ずに終わっていく選手たちでしょう。
むしろそんな選手が最も大きな割合を占めているでしょう。
究極的には野球人として成長するためには試合に出場すること以外ありません(『野球選手は試合に出れば練習なんでどうでもいい』)。
練習とは試合に出るための手段でしかありません。
それにも関わらず、大半の野球練習現場では、野球選手として無意味な練習ばかりを繰り返します(『野球が上達するためだけにやっている練習時間を計ってみましょう。』)。
野球選手は陸上選手になるために練習しているわけではありません。
野球選手は修行をするために練習しているわけではありません。
野球選手は誰かの不安を解消するために練習しているわけではありません(『野球界の指導者は自らの安心のためだけに選手を犠牲にする』)。
野球選手は野球選手として上手くなるためだけに練習をしなければなりません。
野球肩が治りにくく、野球肩で悩む人が減らない大きな原因は、野球界に蔓延る根源的な問題に根を張っています。
野球選手として上手くなることと、野球肩を治療・対策する方法は同じです。
自分で考え、自分で検証し、自分で改善を加えていかない限り、達成することはできません。
そのためには、野球界的には非常識と言われるようなこともしなければなりません。
その結果が「野球肩革命所」の様々な記事に反映されています。
多くの野球関係者が否定的な意見を述べるような記事もたくさんあると思います。
しかしそれらの内容も一度は自分で精査した上で、必要であるのか、不必要であるのかを判断しても遅くはないはずです。
野球人は一度すべての既成概念を取っ払った上で考え直した方が賢明でしょう(『野球選手の考え方を一度白紙に戻しましょう』)。
野球肩の対策方法
最後に、野球肩革命所でご紹介している野球肩の対策になる方法をいくつかお伝えしておきたいと思います。
詳しくは下記の記事に記してあるので、気になる項目をチェックしてみてください。