投手が3塁側のバンド処理で転ぶ
投手が3塁側のバンド処理で転ぶという光景があります。雨などで地面がぬかるんでいる時は、特に多く発生してしまいますよね。
これってなぜ起きるのでしょう?
私が高校の時は
「足腰が弱いからだ!もっと走りこめ!」
と言われてきました。
皆さんはどうですか?
これって本当なんでしょうか。
もしこの事実が本当だとしたら、もし、3塁側のバンド処理で転ぶのが本当に足腰が弱いのであれば、
極端な話、その足腰では、そもそも立つことすら困難だと思います。。。笑
空想科学読本みたいな世界ですね。笑
ではなぜ転ぶのか?
その答えは、「物理」の世界にあるんです。
力がかかる方向(ベクトル)がカギ
勉強嫌いの人にとっては小難しい話かもしれませんが(笑)、そういう方はさらっと読み流してもらって、後半の解決策をよくよんで実践してみてください。笑
先ほどの、「投手が3塁側のバンド処理で転ぶ」、その理由は、
「力のベクトルの方向が斜めになりすぎている」
だから転びます。決して足腰が原因ではありません。
この力のベクトルを斜めになりすぎないようにボールに向かえば簡単に処理できますし転びません。
バント処理のポイントは?
この力のベクトルを斜めにしないようにする要素は何でしょうか。
それには二つの要素がからんできます。
1つ目はスパイク(摩擦=地面への抵抗)。
そして2つ目は、ボールに向かうスピード。
この2点の調整がうまくできれば転ばなくなります。かといってボールにいく速さが遅くなってしまってはもともこもありません。
そこで、スピードを落とさずに処理する方法としては、ボールに向かった際に「足を滑らせる」か、「小刻みに足を動かして勢いを殺す」方法があります。
どちらがやりやすいかというとその人の癖などによるのですが、人工芝の球場が増えてきていることを考えると、「小刻みに足を動かして勢いを殺しながらバンド処理する方法」に慣れていた方がいいでしょうね。
結果、ボールに向かうスピードの殺し方を急にするのではなく徐々に殺すだけで転ばなくなります。足腰の弱さとは全く関係なく、実はテクニック論だったということです。
「野球の常識はスポーツの非常識」シリーズ
ここ最近、当サイトを運営していて、あるメッセージを頂くことが多いです。
「その考え方は今までになかった!」
「確かに何も考えずにやっていた・・・」
「そういえば不思議におもってたんだよね・・・」
といったメッセージを頂きます。いつもちゃんと読んで頂いてありがとうございます。少しでも気づきのきっかけになれているのであれば幸いです。
確かに、私自身も現役時代を振り返ると、「なんであんなことやってたんだろうな」ってことがたくさんあります。それは業界につかりきっていれば気づきにくいことなので仕方がないことなんですが。
そこで、今回、「野球の常識はスポーツの非常識」というシリーズをはじめてみることにしました!私自身、社会人野球までの経験を経て、東京青山にて累計7万人以上の方々の治療に携わり、様々なアスリートの方の身体をみてきました。
その中で、いかに野球の常識が、現代スポーツの中で非常識となっていっていることか・・・・という事実に直面してまいりました。そんな発見をどんどん発信していきたいと思います!