とりあえずレントゲン
野球選手が肩や肘、その他の場所を怪我した場合、トレーナーの方々は大抵決まって病院に連れて行き、傷病名の確定を行います。
医師はその症状に対して診断名をつけますが、それを監督やコーチ陣に伝えていく役目などをトレーナーが担っています。
その際に医師は、レントゲンやMRIなどを使って検査を行います。超音波などの検査を行うこともあります。
少し先走ってしまいますが、今回の結論から言うと、この流れは、選手にとって意味のあることかどうかでいうと意味はなく、むしろマイナスにしか働きません。
この、とりあえずレントゲンやMRI、超音波検査がなぜ選手にとって意味がなく、マイナスにもなるのか、というのを本日の記事ではお伝えしたいと思います。
選手はナイーブ~診断なんかされたくない~
選手は出場できなくなることを最も恐れています。だからだましだましでもプレーを続けています。そんな選手が実際の診断名を聞かされることは、どのような気持ちになるでしょうか。
選手は往々にして、診断名をつけられることで思っていた症状よりも悪いんだと思ってしまいがちです。このマイナスの感情は治る過程において非常にマイナスに働きます。
ガンが笑うことで治ったなんて話もよく聞く話だと思います。
それぐらい患者(ここでは選手)のモチベーションや感情というのは、治っていく過程では最重要です。
スピリチュアルな部分だけでなく、このモチベーションや感情を引き出せている状態でないと、一緒に怪我や故障に向き合っていくことができないので、治るものも治りません。
MRIやレントゲンは生の画像ではない
そして一番の問題は、MRIやレントゲン、超音波を含む検査では実のところ全てが正しい画像で表示されていないということです。
MRIやレントゲン、超音波検査の類のものは、体内の「水」に対する反発を画像化したり、放射線の透過率を画像にしたりなど、実際の身体内部の状態を視覚化したものではないというのが本音のところです。
このような検査結果の元、診断名がつき、選手の今後の治療スケジュール等が決まってしまうことは正しいことなのでしょうか?
選手が求めていることは?
では、選手が病院やトレーナーに対して求めている本当のことって何なんでしょうか?
選手が最も求めていることは、
「早く痛みなく元通りにプレーしたい」
ということではないでしょうか。
決して診断名が知りたくて、病院に来ているわけではありません。
そこに診断名を確定し報告することは本来求めるものの趣旨からズレているような気がします。
選手からすると、診断名はどうでもよく、筋肉が多少損傷していようが、炎症していようが、極端な話骨折していようが、痛みがなく最高のパフォーマンスのもと、プレーができればそれでいいということです。
その手伝いをしていくことがトレーナーを含むスタッフの行うべきことであり、様々な判断を強いられるところでもあります。
医師に診てもらい判断してもらうことは簡単です。ですが現場を一度も見ていないその医師に全てを委ねてしまうことは現場にずっといる方々は何のためにいるのでしょうか?
私は某大学の硬式野球部のトレーナーをした経験があるのですが、監督以下コーチが
「病院に連れて行ったほうがいいのではないか?」
と言われても
「連れて行く必要はありません」
といって数日で現場復帰させる、ということをしてきました。
医師に見せることで何がメリットで何がデメリットなのでしょうか?
選手にとってはデメリットの方が多くメリットはほとんどないように思えるのは私だけでしょうか。
MRIやレントゲンの仕組みを知ることで、利用する場合の意図と状況を検証することができます。
その上でそれら便利な先端機器を利用していけるメディカルチームが構築できれば、素晴らしいと思います。