よく考えてみて、投手はプレートを蹴っていません。

プレートを蹴って投げろ!

あなたが投手であれば、一度は言われた経験はないでしょうか?

 

ピッチングの最後にプレートを蹴って球を加速させるんだ!

 

と。

よく投手はプレートを蹴って投げれば、スピードが増すとか、球威が増すとか、力強くなるとか定説的に言われています。

しかし、これって事実なんでしょうか?

というかそもそも疑ってみて頂きたいことが一つ。

 

本当にあなたはプレートって蹴っていますか?

 

これは、自分のマウンドを見れば、分かることです。

投手はプレートなんか蹴っていない

投手の軸足の軌道を、マウンドやブルペンに行って、観察してみてください。

観察というほどのことでもないですが、一目瞭然で「蹴っているのか」、「蹴っていないのか」分かりますよね。

はい、投手はまったくプレートを蹴っていません。

身体の構造で考えれば、軸足でプレートを蹴り上げてボールを投げることなんてできませんし、仮にできたとしたらボールには適切に力は伝わりません。

軸足の軌道を観察すると、ステップしてリリースまでのアクセレレーション期には、少しづつ体重を前の足に移動していっています。

そのアクセレレーション期には、ほとんどの投手の軸足は、地面へ押し付ける力が働きながら前方に移動し始めます。

そして軸足はプレートから徐々に離れ始め、プレートを蹴るという動作ができる瞬間は生まれません。

仮にここでプレートを蹴ったとするならば、その後どうなるかご想像にお任せします・・・。笑

タメがある投手とは

このアクセレレーション期に軸足がプレートから離れる時間が長い投手のことを、タメがある投手、開きが遅い投手と表現しています。

定説的に言われている、利き腕と逆側の肩が開かない(右投手で言えば左肩が開かない)投手をタメがある投手というわけではありません。

タメをつくるためには、肩が関係していないので、右投手で言えば、左肩の開きが早くならないように上半身に大して何か矯正を入れて練習することはナンセンスですし、フォームを崩す危険性もあります。

下半身からの力の伝達によって上半身が作用しますので、下半身で上半身を変えていかなければ合理的な修正とは言えません。

プレートの本来の役割

少し話がそれてしまったので、プレートの話に戻します。

では、プレート本来の役割とはなんでしょうか。

プレートとははあくまでも、体重移動の際の力のロスを防止するために使用するものです。

投球動作は、足を上げて軸足で立った後、ステップ動作に移行する際に、体を捕手の方向に移動させ始めます。

足の裏の力はセンター方向にベクトルが向かわなければ、体は捕手方向には移動しないので、この瞬間にプレート蹴るという表現をするのであれば、まだ理解は示すことができます。

しかし、ボールをリリースした後、軸足が跳ね上がる動作に対して、プレートを蹴るという練習をするのであればこれもフォームを崩す危険性があります。

プレートは、投球時に足を跳ね上げあるためにあるわけではなく、仮に意識的に行っても、投球内容にプラスにはならずマイナス要因のほうが多いです。

投球フォームに対してのプレートの意味合いをもう一度考えていきたいですね。

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