気づけば憧れる投手というポジション
突然ですが、
野球を始めた時のことを鮮明に覚えていますか?
ちなみに、私は2歳の時にボールを始めて握って投げたようですが全く記憶にありません。
3歳の時にはすでに軟式ボールでキャッチボールをしていたそうですが、それすら記憶にありません。
物心ついた時にはすでに野球をやっていました。
でもこれって何も私が特別なことではないのではないでしょうか。
野球人の方であれば、私と同じような方というのはたくさんいらっしゃると思います。
そして誰もが気づいたときには憧れているポジションというのが投手ではないかと思います。
グラウンドでも投手の守備位置だけ、他の選手のよりも高く、ボールにも試合中に一番長く触れいている特別な選手です。
投手が投げなくてはゲームは始まることはなく、自分主体で試合を進めることができる唯一のポジションです。
同時に、試合の全責任を負うポジションといって過言ではありません。
その分、脚光を浴び、自分の思い通りに試合をつくる権利もあります。
間違いなく勝てば一番賞賛を浴びやすいポジションです。
と、前置きがかなり長くなってしまいましたが、投手というポジションを、小学校から高校、大学そしてそれ以上の環境まで続けていくということは非常に困難なことです。
本当に限られた一握りの選手しか担うことは適いません。
プロ野球選手になれば、大半が小学校や中学校までは投手だったという選手ばかりです。
しかし、どこかのタイミングで、ポジション変更を余儀なくされ、内野手や外野手などになっていきます。
では、そんな難しく希少性の高いポジションである投手であり続けるためには何が必要なのでしょうか。
これを知ったからと言って、全員が投手で居続けることは難しいことですが、向かっていく道しるべになることは間違いありません。
あなたは一言で言えますか?
小学生時代、中学生時代、高校生時代にわけてお伝えしたいと思います。
小学生時代に必要なこと
まずは小学生時代に卒業するまで、投手でいるためにはどんなことに注意して取り組めばいいのかということについてお伝えします。
小学生といえど軟式野球もあれば硬式野球もあります。
しかし、軟式野球と硬式野球は厳密に言うと異なるのかもしれないですが、投手の根本的な考え方は同じです。
あるものさえできれば投手として続けていけるでしょう。
それは、
「ど真ん中にストレートが投げられること」
です。
これさえできれば小学生時代に投手として居続けることができます。
でも実は、小学生にとってはとても難しい注文です。
打者もまだまだ未熟なのでボール球を振ってしまったり、ストライクを見逃してしまったりなどします。
投手がストライクがなかなか入らなくとも打者を打ち取ることもできるので、なんとなく試合になってしまうこともあるります。
そのため、ど真ん中にストライクが投げられることができれば、まず監督やスタッフから信頼がもらえるでしょう。
抑える抑えないは別の話としてストライクがしっかり投げられることで、打者は打ち損じも多いことから試合を組み立てることができるからです。
そして四球も少なくなるのでチームメイトからも信頼される投手となります。変化球に関しては投げられても投げられなくてもあまり関係ありません。
「ど真ん中にストレートが投げられること」
これを小学生の時は頑張って練習していきましょう。
中学生時代に必要なこと
次に中学生です。この世代には変化球の投球数が増えてきます。
この世代では、変化球がキーポイントになります。
小学生時代に真ん中にストレートが投げられる投手は、ど真ん中に投げる練習を繰り返しましょう。
身体は自然と大きくなり、球の威力などがあがるためそれだけでもある程度抑えることは可能なはずです。
そして加えて、
「変化球を1種類ど真ん中に投げられるように練習」
しましょう。
これで、ややスピードのあるストレートと、ど真ん中に投げられる変化球が1種類ある投手となります。
これだけで中学校時代は卒業するまで投手でいることができます。
欲を言えば、球種は3種類ほど持っていれば十分でしょう。
小学生時代も中学生時代も意外と、「ど真ん中」へのコントロールをもっているかがキーポイントになってきます。
高校生時代に必要なこと
さてさて次は高校生です。
高校生からは少し変化がでてきます。
それはここからスカウト制度が始まっており、優秀な投手が選ばれて入ってくる環境になるからです。
高校卒業後も投手としてプレーするためには、高校時代にエースまたは、2番手投手にならなければほぼ不可能です。
2番手でも「他のチームならエースなのに」と言われるような2番手投手でなければ中々難しいものです。
高校時代にエースとなるためには、以下の条件が大切となります。
・スピードボール
・ある程度コースに投げ分けるコントロール
・3種類ほどの変化球
・変化球のうち1種類は決め球として使える
この4つの条件が必要条件になってきます。
スピードボールと大袈裟に書きましたが,135km/hくらいが出ればまずは大丈夫でしょう。
さすがに120km/h程度のスピードですと大学や社会人には進めません。プロはまず無理でしょう。
しかし135km/hくらいのスピードのストレートとそれをコースに投げられるコントロールがあればだいたい3番手投手くらいには入れます。
さらに一番大きい要因は「決め球の変化球」があること。
この決め球になる変化球とはストライクを取りにいくことが可能で、コースにも投げ分けられ、ボール球も意図して投げられる、いわゆる自由自在に扱える変化球のことです。
あとは適当な見せ球になるような変化球が2種類ほどあればエースとして活躍が出来きます。
さらには、140km/hを超えるようなスピードボールがあれば、大学野球や、社会人野球、はたまたプロ野球選手も視野に入ってきます。
すべてを通して必要なこと
具体的に世代別に投手であり続けるために必要なことをみてきましたが、総じて一番大切なポイントがご理解いただけたでしょうか。
すべてにおいて、投手であり続けるためには
監督など周囲の信頼を得る必要がある
ということです。そのためには実力はとても大切となります。
信頼されれば試合に出ることができます。
試合に出ればうまくなることができます。
試合に出れれば高校や大学のスカウトする方々に見てもらえます。
試合に出れば、常にもう一つ上の環境で野球ができるためのチャンスが増えます。
それぐらい試合にでることは野球選手にとって大切なことで、投手として居続ける絶対的要素です。
高校を卒業後し、大学や社会人野球、プロ野球選手となれば、さらに高度な技術が必要となってきます。
それらの技術を身につける土台づくりとしても、小学校から高校までの環境はとても大切です。
指導者を含め選手の親御さんも、何が大切なのかということを理解し、素晴らしい選手が排出されることを願っております。
投手であり続けるために大切なことは、当たり前のことが当たり前にできるようになることです。