試合のためには試合のためのやりかたがある
「野球の技術を高める方法」に始まる、「野球選手のための〇〇」という様々なノウハウが溢れかえっています。
しかし、野球というカテゴリーのみで考えていいものか、という疑問を最近よく抱きます。
「野球」というカテゴリだけでは広すぎるということです。
小学生の野球もあれば中学生の野球もあります。また小学生でも硬式野球と軟式野球があるので異なった野球と言えるでしょう。
それぞれ違った野球感があり、戦い方も様々です。
ボールが違うだけではなく、攻め方からボールやバットの扱い方まで変わってきます。
ということは自ずと、体に対するケアも野球選手全般にあてはまるわけでもありませんし、守備位置によって異なります。
そしてもっと細分化すれば、練習のためのケアと試合に向けたケアというのも異なって普通ではないでしょうか。
しかし、実際の現場で行われていることというとそれほど分類した考え方をしているようには思えません。
細分化して考える練習もこめて、本日の記事では「試合のための肩のケア」について考えてみましょう。
試合のための肩のケア
さて、試合前にとくに注意しなければならないことはなんでしょうか。
それは
緊張の存在
です。
どんなに肝っ玉が据わっている選手といっても、少なからず練習中よりは緊張してしまうものです。
緊張も様々で、パフォーマンスが落ちる選手もいればパフォーマンスが上がる選手もいます。
緊張しないとホームランを量産できないなんていう選手もいます。
どちらであれ、練習中とは心の持ちようが大なり小なり変化があります。
そんな緊張に備えた、野球選手の肩はどのようにケアをしたらいいのでしょうか。
肩の関節というのは、コラーゲン線維という組織に包まれます。
その中に関節の潤滑剤である滑液によって動いています。
肩の周りの靭帯(コラーゲン線維)は血管の分布が少ないことから、温まりにくいという特性を有しています。
試合前となると、緊張が高まることから交感神経優位に働いています。
交感神経が優位に働くと、血流はさらに乏しくなることからさらに温まりにくくなっています。
ということは試合の前は特に、肩の関節の靭帯に血流を送るような運動や体操などを取り入れてウォーミングップをする必要があるのではないでしょうか。
練習はそれほど緊張はしないから、ウォーミングアップもいい加減でいいのかということはありませんが、練習時よりも試合前の方がウォーミングアップに時間をかけなければ、同様の効果すら得られません。
ただでさえ、必要なケアができていない傾向にある野球選手が、試合前となるとさらに適切にケアできていない状態でプレーすることになります。
野球選手の肩の怪我は致命的なことになりかねません。
予防できるものであれば予防することが一番です。
過保護にする必要はないけれど、いたわる気持ちは常に大切です。