投手が前で投げる意識をしても上手くならない

前で投げ続けると故障する!?

投手をしたことがある選手ならほとんどの方がこんなことを言われたことがないでしょうか。

それは、

前で投げろ

という言葉です。

意味合いとしては、なるべく「球持ち」を良くして、勢いのある「ボール」を投げられるようになると言われています。

しかし実は、

「前」で投げても人体の構造上からパフォーマンス的な向上は望めない上に、故障をしやすくなっている

ことに注意が必要です。

人の身体というのは、

重心の移動によって力を生み出して動作することが理想的

です。

しかし、この「前で投げろ」という行為は「重心移動」の概念を完全に無視した言葉です。

投手が足を上げて、ステップしに行く際に、重心は位置エネルギーを蓄えながら前方に移動します。

その時にボールをもった手は後方に残されています。

そしていよいよステップし、体が回り始めた時にようやく腕が前に出てきます。

人間が意識的に行える範囲での「投球動作」というのは、ここで終了しています。

後は「力」を加えたところで何の変化もなく、「ボール」が「キャッチャーミット」に目がけて飛んでいきます。

「前で投げろ」という意味は、この「投球動作」において、さらに「腕」や「胸」に力を込めて「リリース」することを意味しています。

この時点で身体に力を加えると、それまでにため込んできたエネルギーの分散が起きます。

つまり、投球のパフォーマンスを低下させる要因になります。

さらに悪いことに、身体に対して余計な緊張を生みだしてしまうため、故障の可能性を高めます。

30m遠投のススメ

では、どのような投げ方が身体の構造上、「重心移動」が適切に行えるようになるのでしょうか。

当然のことながら、この答えは人間の身体が人それぞれ異なる以上、明確な答えはありません。

自分で見つけていくしかないのですが、そんな時におススメのトレーニングがあるのでご紹介いたします。

それは

30mの遠投をすること

です。

やり方としては、約30m離れた所に捕手を立たせ、目線の高さから上に行かないようなボールを投げる意識でキャッチボールする方法です。

この30m遠投を約50球ほど行ったあとに「ブルペン」へ入ると、綺麗な勢いのあるボールを投げられるようになっていることに驚くはずです。

当然ながら「前で投げる」意識なんてする必要はありません。

30m遠投のイメージのまま投球するようにしてください。

あくまで、「投球」のエネルギーを生むポイントは「重心移動」です。

間違っても前で離す意識や変な力を加えるような行為を行ってはいけません。

また他の方法としては、「MONOBUN」というトレーニングアイテムを使って身体の使い方を覚えることもおススメします(詳しくはコチラ)。

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