無能な指導者ほど言いがちなこと
野球は日本において他のスポーツに比べ、歴史が深い反面、縦社会の色合いが強くなっています。
そのため、先輩のいう事は絶対なので、進歩を止めてしまっている部分が多くあります(『野球界は思考停止している人ばかり』)。
その結果、根拠のない指導を繰り返す指導者が多く存在している業界でもあります。
そんな無能な指導者が言いがちな言葉があります。
それは、
今やっているすべてのことには意味がある
という言葉です。
この言葉を聞くたびに私は「???」という気持ちになります。
確かに、何が起きるか分からない人生において、何が自分のためになるのかなんて分かりません。
しかしこれは、選手各々が感じることであって、指導者が言ってはいけない言葉ではないでしょうか。
さらに言えば、選手は野球人として生きたいと願っているので、野球選手として成功しなければそれ以外は失敗です。
失敗したと感じた時に、新たな挑戦を行い、過去を振り返った時に「意味があったな」と感じるものです。
それをやっている最中に感じながら挑戦するものではありません。
「全ての物事に意味がある」という言葉を言い換えれば
どうやったら上手くなるのか私は知りません
と言っているのと同じだと感じるのは私だけでしょうか。
もしくは、聞こえの良い言葉であしらっているかのどちらかです。
いづれにせよ、選手のことを考えた言葉ではありません。
さらに問題なのは、
意味があるとはどんな意味があるのでしょうか?
なんてことは選手が怖くて聞けないことです。笑
目的のために意味のないことだってある
指導者は組織的に上位の立場にあるため、選手は意味が分からなくても言うことを聞かなければなりません。
そんな時に最も楽な言葉が、
全てに意味がある
という言葉です。
確かになんとなく感覚はわかります。
しかし、選手のことを理解している指導者とは
すべてとは何のことを指し、その意味とは具体的に何なのか、ということを矛盾なく教えてくれる人
のことです。
答えることができないのであれば、「全てに意味がある」なんて格好つける必要はありません。
分からないのであれば、「検証している内容」を伝え、検証した結果の「メリット」・「デメリット」を伝え、次の発展への方向性を示し続けなければなりません。
指導者は、見た目では楽をしているように見えても、最も苦労しなければならない立場にあります。
自分たちが楽になるようなことをしていては指導者とは呼べないのではないでしょうか。
「全てに意味がある」なんて言葉をかけてくる人は気をつけてくださいね。
わざわざそんな事を言わなくても、自分で考え、自分で検証を続け、前に進み続けていれば、解決策が見つかることは皆が分かっていることです。