社会人野球を知れば練習の大切なポイントが見えてくる
社会人(アマチュア)野球に対して適切に理解されている方は少ないのではないでしょうか?
やはり、日本の野球と言えば、「プロ野球」か「甲子園」です。
しかし、プロ野球で活躍している中にも社会人上がりの選手も少なくありません。
JABA(日本野球連盟)などの専門的なHPなどを見ても情報が不十分だったので、本日は社会人野球について解説していきたいと思います。
ただし、様々な定義はあると思いますが、軟式の実業団野球、市町村対抗野球、草野球等は除外して考えていきます。
ここで使っている社会人野球とは、よりプロ野球に近く、プロ野球選手になるチャンスがある実業団での野球の世界のことを指します。
そんな社会人野球には大きくわけて2パターン存在しています。
主に大企業が運営している、「野球だけしていればいい」という企業チームと、仕事はきっちりやってから部活動のような形で活動するクラブチームに分かれています。
あくまで、どちらも企業に属しているため、会社の仕事も行いながら野球を行うという点は同じですが、比重がどちらによっているのかによって「企業チーム」と「クラブチーム」は異なります。
では、使用するバットは「木製バット」か「金属バット」のどちらでしょうか。
正解は「木製バット」です。
約15年前は「金属バット」だったので、「金属バット」のイメージがある人もいると思いますが、現在は「木製バット」を使用しています。
続いて質問です。
「企業チーム」と「クラブチーム」ではどちらの方が強そうでしょうか。
もちろん、大企業の資本力のもと野球を中心にやらせてもらえる環境なので、「企業チーム」の方が強そうに感じますよね。
これは正解なのですが、「木製バット」を使用するようになってから興味深い現象が起こってくるようになりました。
それは
木製バットへの変更を境目にクラブチームが企業チームに勝つシーンが増えてきた
ということです。
それでも企業チームの方が強いのは変わりありませんが、一昔前で言えば企業チームは圧倒的な強さを誇っていました。
クラブチームが企業チームに勝とうものなら、大金星の祭状態になっていたものが、今では自然な出来事のようになっています。
クラブチームが企業チームに勝てるようになったことから見えてくること
クラブチームが企業チームに、「木製バット」の変更とともに勝てるようになってきたことから見えてくることがあります。
それは、
野球の練習は練習時間が重要ではない
ということです。
企業チームはクラブチームより圧倒的に練習時間が短いのにも関わらず、勝利することができます。
そして、技術力の試される「木製バット」の使用から、その傾向が表れ始めたところを見ると分かりやすいのではないでしょうか(『「金属バット」と「木製バット」の違い ~そもそもの構造から違うって知ってますか?~』)。
練習は、
質より量ではなく、量より質
です。
皆が分かっているようで、実現できていないことです。
社会人野球ではまさに、その象徴のような現象が起きています。
長い時間練習したからといって勝てるわけではありません。
短い時間でも質を高めた練習さえできれば競合相手に勝つこともそれほど難しいことではありません。