身体が強いから怪我・故障をしないという誤解
野球に限らず、スポーツをやっていれば、身体を強くすれば怪我や故障をしにくいと考えられています。
しかし、この表現には危険な要素を孕んでいることに注意しなければなりません。
それは、
「強さ」の定義があいまいであること
です。
「強さ」には様々な捉え方があります。
筋骨隆々に鍛え上げた身体を見て「強い」という人もいれば、見た目は強そうに見えなくても実際に闘ってみたら強かった選手を見て「強い」と表現することがあります。
そのため、タイトルのような発言をするにはもっと適切な表現が必要です。
それは、
負担がかかりにくい動作ができれば怪我・故障をしにくくなる
ということです。
この表現だと野球選手として「強さ」を含んでいないように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
なぜなら
負担がかかりにくい動作とは、エネルギーの伝達を効率的に行う動作のことであり、エネルギーを効率的に伝えることができれば、最終目的の動作のエネルギーを最大化できるから
です。
ここで言う最終目的の動作とは、投手で言えばリリースの瞬間を指し、打者で言えばインパクトの瞬間のことを指します。
負担がかかりにくい動作をできる身体こそが、野球選手にとって「強い身体」で、野球肩革命所が、これからの野球選手は身体のケアと身体の使い方を学べば上達できると伝えている所以です。
仮にどれだけ筋肉を鍛えたとしても、どこかの部分に負担がかかってしまえば簡単に故障をしてしまいます。
仮にどれだけ筋肉を鍛えたとしても、効率的なエネルギーの伝達ができなければパフォーマンスは低下します。
筋肉を鍛えてパフォーマンスが向上した経験を持ている人は、一時的なものか他の要因で伸びている可能性の方が高いでしょう。
身体が強いから怪我や故障がしにくい・・・というのは間違いではありませんが、その「強さ」が何なのか捉え間違っていれば、何の意味もない言葉です。
あなたの考える「強さ」とは何ですか?
そしてその「強さ」は野球選手にとって本当に必要な強さでしょうか。
純粋に野球選手として強くなることができるように研究しましょう。