野球肩の痛みの正体
では、なぜ野球選手が野球肩になると肩が痛むのでしょうか。
痛みが発生する理由とは、
発生している部分に摩擦が生じ、その疲労に対して身体を回復する速度がおいつかず限界を超えたため、限界を知らせるために痛みとなってシグナルを送っているから
です。
このシグナルは一種の防衛本能によって働いています。
今のまま同じ動作を続けていれば、生命の危機にも直面しかねないという身体の反応です。
では次に、
その摩擦が生じている原因
は何でしょうか。
投球動作をしている限り、肩関節に摩擦を生じさせないことは不可能です。
しかし、1球や2球投げたところでいきなり野球肩になるような選手は存在しません。
つまり、何らかの存在でその摩擦を抑えるような構造に人間の身体はできています。
肩関節は数ある関節の中でも不安定な関節であるため、別の何かによって安定性を高めています。
それが、
肩関節周りに張り巡らされた筋肉
です。
それらの筋肉が適切に(必要な時に)働いていれば、肩関節の摩擦が抑えられます。
それらの筋肉が、摩擦の度合いが最低限にとどめられるような働きをしていれば傷害へと発展することはありません。
しかし、それらの筋肉が疲労してくることで、本来の役割を適切に果たすことができなければ、肩関節が不安定な状態になります。
その結果、摩擦が大量に発生し、限界が来た時に傷害となって肩関節の痛みを発生させています。
つまり、
肩関節の痛みはあくまで結果で痛みを発生させた根本的な原因は周囲の筋肉の疲労及び不適切な使い方をしているから
だということです。
さて、そこに野球肩を治そうと肩の痛みを取り除くことだけを考えているとどうなるでしょうか。
痛みが取れてもすぐに再発してしまいますよね。
筋肉の疲労が取り除けていなければ意味がありませんし、そもそも不適切な動きをしてれば直ぐに摩擦が高まり痛みとなって現れることは誰にでも想像がつきます。