野球選手は個人練習でさえ本来の目的を見失う
野球選手は他の競技に比べて、日々の練習の中で行う種類が多く、時間がかかるものばかりです。
「勝つためににしているランニング」、「勝つためにしている筋トレ」、「勝つためにしているバッティング」、「勝つためにしている守備練習」、「勝つためにしている個人練習」など上げ始めるときりがありません。
しかし、一つ一つへの効果の検証は行われることなく、一度始められた練習を辞めるという選択肢はほとんどありません。
例えば、ランニングや走り込みは、足腰を強くするトレーニングだと認識され、足腰を強くすれば「打球が飛ぶようになる」、「コントロールが良くなる」、「球速がアップする」などと言われています。
足腰が強くなれば、それらの願望が叶うのは事実かもしれませんが、一口に足腰が強くなるといっても様々な形が存在しています。
ランニングや走り込みが足腰を強くすることは否定しませんが、その「強さ」が野球選手にとって必要な「強さ」なのかというと疑問の余地が大量に存在しています。
たくさん走ることができるようになったり、肺活量が増し長距離走が速くなったとしても、野球選手のパフォーマンスが高まるわけではありません。
今では当たり前になった筋トレも走り込みと同様に考えることができます。
バッティング練習や守備練習といった野球に直結したものでさえも、勝つために、そして上手くなるために行なっていたはずなのに、いつの日か時間なかりを気にするようになっていきます。
一度くらいは「この練習をいつまでやるのか」と思ったことはないでしょうか。
この傾向は特に高校野球で強く現れ、シートノックだけでも一時間以上行うチームも存在するほどです。
夏の暑い炎天下で、死に物狂いで練習をさせられている野球選手は、先進的に平常でいられるわけがありません。
結果的に練習を「こなす」ようになるのは当たり前のことかもしれません。
そして個人練習でさえ、最終的に個人練習の本来の意味を失っていきます。
皆が個人練習をやっているからやらざるを得なくなったり、監督やコーチの目を気にして個人練習をするようになっていきます。
個人練習は、選手一人一人が自分で必要だと思うことを練習する時間です。
ないならやる必要はありません。
やらせてやる練習は個人練習とは言えません。
自分が毎日やっている野球の練習は、今一度検証し直してみることをおススメ致します。
野球人生は思っている以上に短いものです。