フォーム、保護、使えていない筋肉を呼び覚ます
ここ最近の記事にて、「筋トレ」について詳しく解説してきました。少々小難しい話も交えてきましたが、「筋トレ」を考える上で「筋肉」について知ることは大前提ではないでしょうか。
過去の記事をご覧になっていない方は下記よりご確認ください。
◆【小難しすぎて閲覧注意】筋肉の働きについて真面目に語ってみました。【投手編】
さて、本日の本題は、「筋肉」や「筋トレ」については分かったけど、どうやって「筋肉をつけたら」いいのか、ということです。
そんなご質問をLINEやFacebookからメッセージでたくさん頂きました。(ご質問ありましたら今後もどんどんくださいね!)
もっともなご質問なので、本日は『野球選手にとって効果的な筋肉の”つけかた”』について記していきます。
まず、結論からお伝えします。その答えは、
- 効率的なフォームで練習すること
- 壊れたら致命的になる場所の保護的なトレーニング
- まく使えていない筋肉を使えるようにすること
この3つの考え方を身に着けることです。
野球に限らず、運動、動作ということを考えると、個々の筋肉のパーツパーツを細かく鍛えるということはとてもナンセンスで、いかに力の伝達を効率よく伝えていくにはどうしたらいいのかということを考えなくてはいけません。
筋肉はそのためのいわば触媒にすぎず、その過程において、筋肉が発揮する力が強けければ発達し肥大していくだろうし、そうでなければ細くなっていくというのが本来の自然な形と言えます。
しかし、動作を効率的にしていくようなフォームなどを作っていくのは時間も労力もかかります。そこで時間もあまりかからず効果が出るのが筋トレです。この短絡的な選択が将来的な弊害となっている例も少なくはありません。(不必要な筋肉が投球時に身体に悪影響を及ぼし故障の原因にもなっています)
私の考えは、効率的なフォームにしていくことは一生追求していきながらも、特に壊れたら致命的になる場所の保護的なトレーニングをしていくこと、うまく使えていない筋肉を使えるようにすることを並行して行っていくことが強い体を作るのではないかと思います。
とにかく投げればいいわけではない
とはいえ、具体的にどのようにすればいいのか、という話ですが、私が現役時代行っていたもので、その後、治療家として、様々な身体を診察してきた中で、さらに改良を進めてきた肩周辺のエクササイズです。(現役時代にむしろ自分が知りたかった・・・笑)
その方法とは、
ナイロン製の荷物を束ねるロープを2本用意します。木や鉄棒といった、固定されて動かないものに縛り付け、一本ずつを別の手で持ちます。体をぐるぐる回しながら肩周辺の360度ストレッチを行いながら負荷をかけるというトレーニングです。
- 利き腕の肘を天に向けグローブ側の手は身体の後ろにおき、胸を反らす状態をつくります(投球動作の胸をはる瞬間をイメージ)。
- そこからリリースの瞬間の体勢へと移行します(グルーブ側の手は折りたたまず伸ばした状態で体の後ろへ、前のめりになった体勢です)。
- 次に身体を利き腕側に利き腕が身体の前にくるようにぬきます(両腕を体の前でグローブ側に地面に対して並行で伸ばしているイメージ)。
- 次に身体を、顔が地面を向くように回転させます(下を向きながら万歳をしているイメージ)
- そこから同じ方向にさらに回転し、両腕を真後ろにしながら胸を張った体勢をつくります
- 次は[1]の体勢に戻し、[1]~[5]を繰り返し行います。
わかりにくい説明で申し訳有りませんが、現在動画と作成中ですので詳しくはそれまでお待ち下さい。
自重を使っても野球に使う筋肉のトレーニングとしては十分ですし、私が使っている道具を使えば更に幅は広がります。(こちらの商品も現在開発改良中)
<h3>野球選手にとって必要な筋肉はプレーの中で</h3>
今回ご紹介したエクササイズによって、投球に変化が出てきます。また、効率的な方法なので、オーバーユース(使いすぎ)による障害も減るでしょうし、練習時間の短縮にもなります。
いわゆる「筋トレ」というのはあくまで補助的な練習として、技術を向上させる練習を第一に考え、その中で「筋トレの要素」が含まれることを行ってください。
野球選手にとって必要なのは何なのか、ということに集中し、そしてその答えは「野球選手として結果を残すこと」以外はなく、そのための練習は実際のプレーの中にしかありません。
よく言われることだと思いますが、「練習でできないことは本番ではできない」のであれば、なぜ「練習」で「ボディービルダー」になる練習をしているのでしょうか。
確かに、今までは今回の記事で記した内容の練習をする道具も少なかったかもしれませんが、今では次々と開発されていっています。
時代の流れにあわせて練習方法も改善していくべきではないでしょうか。