エースとはなんなのかを知ること
エースになる条件は様々あると思います。
人によってその条件は異なるし、チーム状況によっても変化してしまうかもしれません。
では、エースになるために一番大切なことが存在するのか・・・という話になると思いますが、それは存在しています。
それは、
エースとは何なのか自分のモノサシをもっていること
です。
ある人は、これをエースの自覚なんていうのかもしれませんが、エースである人、あるいはエースであり続ける人はすべからく、この自分のモノサシをもっています。
そこで、今回の記事は、自分の「エース」のモノサシを一度考えるきっかけになるように、私が経験してきた中での「エースの定義」についてお伝えしたいと思います。
自分でもぜひ検証してください。
エースとはなんなのか
エース級の投手とはだいたい以下の条件が揃っていることが多いです。
・決め球を持っている
・思ったところに投げることができる
・試合をつくることができる(メンタルが強い)
この3つがあればだいたいエースとして周囲から認められます。
でわ、一つずつ解説していきます。
ウイニングショットは「最後の球」ではない
まず、決め球とはウイニングショットのことです。
野球をする年代にもよりますが、大学生よりも上のクラスで野球をする場合、ストレートをウイニングショットにすることはほとんど適いません。
ごく一部の限られた人間にしか、それは与えられません。
なるように努力することは良いですが、実際の場面で、現実的に「決め球」と呼べないストレートをウィニングショットにもってくるようでは、エースには程遠い話です。
基本的には他の球種を考えるべきです。
でも実はこのウイニングショットですが、「最後の球」という認識は捨てた方がいいと考えています。
私の考えるウイニングショットとは初球でも投げます。
投手目線から考えると、「最後の球」なのかもしれませんが、打者目線から考えると「ウイニングショット」の捉え方は変わります。
初球から振ってくる打者で、なおかつ打率もいい打者であると、初級が勝負のポイントになってきます。
往々にして、初球打ちを好む打者は、初球以降の打率はよくなかったりします。
では、この打者を打ち取るには、この初級に投げる球こそ「ウイニングショット」といえる球を投げるべきです。
この初級を抑えることができれば、勝負はついたようなものですから。
このような打者目線の考え方を投手でも持つ必要はありますね。
さて、まとめます。
ウイニングショットとは、
・決め球として使える
・カウントを稼ぐこともできる
・初球からでも投げることができる
・打者がわかっていてもヒット性の打球にならない
このようなボールのことです。
コントロールには打者心理ありきで考える
次に、「思ったところに投げることができる」ですが、つまりはコントロールの話です。
このコントロールというのは、実は、ある程度のコントロールで大丈夫です。
もちろん針の穴を通るようなコントロールがあれば最高ですがそんな投手も稀ですし、そこを目指していれば、野球人生を費やしても果たせない可能性があります(笑)
例えば打者が内角を待っているような場合には、真ん中からやや外もなかなか打ち切れません。
その逆もしかりです。
しかしこの時に、打者が内角を待っているとわかっているのに、
「とんでもない外角でボール球となる」
「内角にいってしまった」
となるようなコントロールでは問題があります。
つまり、ここでいうコントロールの話というのは、打者心理ありきの話だということです。
打者の打ち気をそらすことができる程のコントロールがあれば問題ありません。
針の穴を通すようなコントロールよりも打者心理を読み取る能力の方が大切です。
流れは無限大
最後に「試合をつくることができる」ということについてです。
試合には必ず「流れ」というものがあります。
試合相手が手も足も出ないような投球を常にできる投手というのは、そうそういない、というよりチームレベルの差が極端でない限りいないでしょう。
試合には序盤、中盤、終盤、チャンス、ピンチなどなど様々な状況があります。
序盤でのチャンスやピンチ、中盤でのチャンスやピンチ、終盤でのチャンスやピンチ、などによって試合の流れが変わります。
また、そこに点差が加わることで無限のパターンの流れを形成します。当然、エラーや、特大ホームランなども流れに関係してきます。
そんな様々な流れの中からエースというのは、自チームにとって都合の良い流れをつくることができる投手のことです。
どのようなポイントで流れをつくるかというと
・リードした直後のイニングを3者凡退に抑える
・均衡した試合でも、粘った投球できる
・終盤にノーアウトランナー2塁の場面で三振を奪うことができる
・先制点を許さない
などなどがあります。
他にも様々なケースが予想されると思いますが、この4つが試合の流れを決めていることが、投手目線のみで考えると多いです。
様々なピンチの際に粘って投球できる、チャンスの時はテンポ良く投げられる、そんな投手がいるとチームは心強くありませんか?
打者が苦しんでいるときは点を取られない、勝っているときは三者凡退を山のように築く、そんな投手がいるとチームは心強くありませんか?
こんな流れをつくることができれば、それはエースといって過言ではないでしょう。
方法・手段は考える
今回触れたエースの三条件ですが、どちらかというと心の在り方に近いと思います。
方法・手段においては、人それぞれ個人差がでてくるので、ベストな方法というのはことなるでしょう。
しかし、心の在り方がなければ、何の練習をしていいのか、考えることすらできません。
試合の流れをつくり、ある程度のコントロールをもって、絶対的な決め球がある投手
これを一つの指標として、具体的な練習は自分で考え、練習してみるのも良いと思います。