科学的根拠とは100%をさすものではない
最近は、スポーツの分野において科学的な分析などが進み、非常に効率的で科学的な練習方法や科学的なケア方法、治療方法などが確立されています。
野球においても同様で、これまでできなかったパフォーマンスができるようになったり、高校生でも140km/hを投球する投手はもうそう珍しくありません。
バッティング技術も向上し、ホームランも量産できるような選手も増えつつあります。
これらは科学がもたらした効果で、昔の選手を引き合いにだして、伝説的な話が語られることもありますが、確実に現代の選手の方が身体の強さを持ち合わせています。
しかし、一点皆が見過ごしがちなことがあります。
それは、
科学とは100%ではない
ということです。
これは何も、精神論的な話ではなく、検査や臨床実験において科学的根拠とされる一定の数値というものがあり、100%の人間に認められなくても科学的根拠となるようになっているからです。
これは科学者の方も認められていることです。
とはいえ、科学を否定するつもりはありません。
科学によって素晴らしい恩恵を受けた選手が沢山いるからです。
しかし、それと同時に科学によって潰されていった選手も少なくはありません。その事実から目を背けてはならないと思います。
科学では推し量れないモノ
確かに過去の科学に比べれば、精度は格段にアップし続けています。
短期的に大きな成果を得る事が出来るようになってきたのは科学によるところが大きいことは確かです。
そしてその精度も日夜進化を続けています。
例えば「筋トレ」や「アイシング」などは顕著な例です。
物理学の応用などによって動作解析なども行われてきています。さらに、道具に関しても科学的進歩を成し遂げ続けています。
これらの科学の動きによって短期的なパフォーマンス向上が認められるケースも多いことは紛れもない事実です。
しかし、それでも「100%ではないのが科学」です。
科学は優位性で甲乙をつけます。
必ず甲乙が存在するということは、良くなった選手がいればダメになる選手も存在するということです。
では100%に対して不足の部分はなんなんでしょうか?
これがわかれば、私は100%全員がうまくなると思っております。
それはなんでしょう?
その科学では推し量れないモノの正体というのは、
数値や目で確認ができないこと
ではないでしょうか?
数値では測れないモノの存在
なんだ、スピリチュアルな話か・・・と思われたかもしれませんが、そういうハナシをしているわけではありません。
実際みなさんも日常の中でも経験されていると思います。
身体にフォーカスすればスポーツ選手以上に自分の身体と向き合っている人間はいません。
ここの数値化できない部分というのは、実際に野球をやってきた経験則がモノを言う分野だと思います。
教科書では、先生、監督、コーチがいうことと、「実際の感覚」は異なると感じるのが選手です。
そんな時に科学を持ち出してもなかなか解決はしません。
選手が感じたことに対してうまく修正できるような感覚の持ち主が100%ではない科学をより100%に近づけることができる指導者だと思います。
実際のところは、やっている選手自身が一番分かっていることでないでしょうか?
今、自分がやっていることに100%の理屈をつけて解説することの難しさを。
そして怪我や故障をしている選手などは痛烈に感じてると思います。
医療的に完治したと告げられても違和感が続くギャップの世界を。
科学は進歩し続ける中で大切なこと
科学とは広い事象に対して当てはまる時、それを根拠とする性質をもっています。
しかし、そこに対しては常に異分子が孕んでいます。
そして今までの人間の限界へと挑んでいくスポーツ選手は特異なケースであることがほとんどのはずです。
というか科学て図ることができる上をいかなければスポーツとしての進化はありません。
今、科学的に認められている方法を凌駕する新たな発見がいつ現れるかなんて誰にも予想はできません。
よく、本メディアサイトは「科学的根拠のないことを!」なんて批判されたりしますが、ここで記していることは、そのようなテクニック論の話をしているつもりはありません。
常に変化がある中で、千差万別ある人間の身体を一人一人がどのように捉えて、技術を向上させていくかという考え方を身に着けるための手助けとして情報を配信しています。
ここに記された内容よりも素晴らしい方法が見つかることも今後、大いにあり得る話です。
科学的とは自己の外に何かを求めることです。
しかし本物は常に自己の中にあります。
その本物を求めずして、外に何か原因を求めても本当の答えはないと思います。
常に自己に対しての検証を重ね、模索していくことが野球技術向上の一番のキーポイントではないかと思うのですが、みなさんはいかがでしょうか。
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