肩の消耗は休めば回復するのか
投手が投球練習を行ったり、試合で投球したりして、肩を含む様々な部分が疲労します。
そんな時は、必ず投手は肩を休めます。
しかし、ここで疑問に思って頂きたいことがあります。
それは、
単純な休養(ノースロー)をすれば、肩の疲労は完全回復するのか
ということです。
答えを言ってしまえば、
放っておいても完全回復することはありません
そのため、しっかりと考えて欲しいことがあるわけです。
投球動作の肩関節は異常な動きをしている
肩を完全回復の方向性に向かわせるためには、強制的に物理的な何かを行い、血行の促進をはかる必要性が必ずあります。
単純に休ませるだけの方法だと、ある一定の回復はしても、完全には回復することはなく8割くらいのところで止まってしまいそれ以上は回復しません。
そこから回復させるために、物理的な刺激が必要不可欠です。
物理的な刺激とは例えば、マッサージ、鍼治療、ストレッチ、などで、すべて血行をできる限り促進させるために行います。
他には比較的長い時間お湯に浸かって全身の血行を上げることなども効果があります。
なぜ、ここまでしないと肩が回復しないのかというと、
肩関節は、投球動作の際に人間の日常生活では考えられないような異常な動き
をしているからです。
通常ではあり得ないようなひねり方や伸び方をしています。
そういったことに常に抵抗して支えているのが筋肉です。
その抵抗し支えている筋肉の動きが悪くなることによって、肩全体のバランスが崩れ、他の筋肉を痛めてしまったりすることでいわゆる「野球肩」なんかが起こります。
そして、その筋肉を修復する物質を運んできてくれるのが血液なわかえですが、肩関節のすべての血管に血液がいっているわけではなく、血液が流れていない血管も多く存在します。
そもそも流れにくい血管に、さらなる負荷をかける行為をするのが投球動作です。
そのため、こういった血管にも血液を送り込むことが大切です。
さらに血液を循環させれば、肩関節の疲労だけでなく様々な疲労感も排除してくれるオマケつきです。
また、肩の関節の安定性を図るインナーマッスルに関しては、血管分布がもともと少なく暖まりにくく冷めやすい傾向にあります。
暖まりにくいということは、疲労回復が遅いということになります。
以上、記してきたように、投球動作というのは人間の生活からすると、異常な負担を「肩」に与えているため、通常の休息を送っているだけでは、決して100%の回復をすることはありません。
「肩」から考え始めれば、その他の部位においても、適切にケアしてやることで疲労回復を促進させていくことも感がられるようになってきます。
そうすれば日頃のパフォーマンスも変わってくるので、決してケアやメンテナンスは余計にかかる手間ではなく、しっかりとしたトレーニングの一部であると感じられるはずです。