あなたは投げる時に声を出しますか?
投手の中に、球場に響き渡るような大声をあげながら投球する投手を見たことがありますか?
一大会に一選手ぐらいはいるでしょうか。
最近ではプロ野球選手でもテレビの放送中に見かけたりすると思います。
日本の伝統的なことで言えば、相撲でも勝ち名乗りを上げられる時に笑顔を禁止されるほど、あまり感情を表にだすことを良しとしない文化があります。
「気合が入りすぎ」、「声出しすぎ」などと、少し引いた形で見られることが多いでしょう。
では、この投手のピッチング中の声は身体の構造から考えた時には良いのか悪いのかどちらなのでしょうか。
声を出すのは理に適っている
投手がピッチング中に声を出すのは、実は理に適っている部分があるんですよね。
最近ではテニス選手などを参考にして、声を出すことを意識している選手もいるでしょうか。
しかし、なぜ良いのでしょうか?
良いと言われるからやるというのであったら誰でもできてしまいますし、偽情報にも惑わされてしまうことでしょう。
「野球肩革命所」では、技術向上の情報を伝えながらも、常に自分で考え検証する必要性を大切にしているので、「声を出すこと」の良さを考えていきましょう。
では、ピッチング中に声を出すことになんのメリットがあるのでしょうか。
ピッチングにおいてリリースするために、腹筋に力を入れる必要がある瞬間というのがあります。
その時に息を吸っていたらどうなるのでしょうか。
試してもらえれば分かると思いますが、息を吸いながら腹筋に力を入れるのは簡単ではないはずです。(決してできないわけではありませんが。)
息を吐くことで力を入れることができます。
つまり、この息をはく動作を、「声を出すこと」でアシストしているわけです。
リリース時にしっかり息がはけている証拠として声が出てしまっているため、ピッチング中に「声を出すこと」は人間の構造から考えれば正しいということになります。
なかなか力が入らず、息を吐きながら投球することができない、といった選手は、軽く声を出して投球してみるといいかもしれません。
きっと何か良いヒントがつかめるかもしれません。
「声を出すこと」と「呼吸」との関係
一般の方も含め、特にスポーツ選手に大切なことに呼吸法というのがあります。
女性やスポーツ選手は「胸式呼吸」の選手が多い傾向にあります。
胸式呼吸とは比較的に体幹の上の方で呼吸する呼吸法のことです。
女性は身体の特性上、胸式呼吸になりがちで、また、スポーツ選手は過酷なトレーニング等で胸式呼吸を強いられてしまいがちです。
しかし、パフォーマンスを高めるためには、横隔膜をしっかり使って腹式呼吸をしなければなりません。
それは腹式呼吸の方が、酸素を取り入れる量も多くなり、丹田に集中がいくためです。
また横隔膜をたくさん動かすことはスポーツの動作においても重要なポイントでもあります。(『打者にとって最も大切な筋肉は腕や脚なんかではありません ~バッティングに大切な筋肉~』)
下半身中心の動きをしたいのであればしっかり、横隔膜を動かしてお腹に集中できるような状態をいつでもできるようにしておく必要があります。
息を吐きながら投球することは、この腹式呼吸にも関わってくることなので、とても大切なことです。
そのために声を出すのであれば、どんどん声をだしていった方がいいと言えます。