野球界の練習は根拠もないことを押し付け続ける
タイトルの「根拠がない」という表現は100%適切ではないかもしれません。当然必死に検証を繰り返し続けるチームも存在しています。
しかし、「検証されない」、「自分で試さない」、「いいか悪いか体感しないで頭で判断したにすぎない」といったことが、選手に伝達されていることが多いのは紛れもない事実です。
パフォーマンスの中には動きというものが必ず入ってきますが、指導者側が自分で体験していないことを教えることはとても恐ろしいことです。
指導者は自ら動かないのが基本です。
投手が走っていてもずっと見ているだけで笛を吹く程度が関の山です。
実際に選手と一緒に走って、事実を確かめようとはまずしません。
頭で理解し、確認したことのみを押し付ける傾向があります。
全ての指導者がそうとは言い切れませんが、自分で体感てから伝えるくらいは最低限必要なことではないでしょうか。
その上で、選手に伝えるために理屈的なところを考察すればいいのです。
野球界の指導者のこれからの役割とは何なのか
選手は、駒ではありません。
選手一人一人には「夢」があり、「目標」があり、日々練習に取り組んでいます。
選手の人数とスタッフの数がバランスがあわずに、ほったらかしとなっている選手もたくさんいます。
しかし、その原石を磨くのはその選手自身であることは当然ですが、関わった指導者も含まれることは間違いありません。
「あいつはいっても聞かない」、「あいつにはいっても無駄だ」ではなく、
聞くようにするにはどうすればいいのかを考え続ける
ことが仕事です。
聞かない、無駄だと言って放棄することはとても簡単ですが、その選手が聞く耳を持つようにすること、無駄にならないようにすることは、指導者の技術と言えます。
もともと昔の野球をしてきた方々が指導者になることが多いので、基本的には分からなければ殴れ蹴れといった方法しか出てきません。
そして「聞かない」、「殴れない」、「蹴れない」、となると次の手段としては「放棄」しか手はないのでしょう。
テクニカルに、理論的に反論できないような適切な意見を述べてあげることは、今後の野球界に課せられた、課題だと思っています。
しっかりと根拠のあることを説得性を持って選手に伝えていく必要があるので、指導者も勉強する必要があると思います。
そして昔よりも理論的なことを言うと伝わりやすいのが今の世代なんです。
世代にあった練習法があるので、自分が教えられた方法で教えることが適切だとは言えません。