野球選手は「しなる」の意味も知らずに使い続ける
投手が投球する際に、「しなる」という言葉がよく使われます。
しかし、この「しなる」という言葉を使ってはいても、実際の所「肩」や「肘」がどのような状態になっているのか知っている人はほとんどいないでしょう。
それなのに、野球関係者の大半は簡単に「しなる」という言葉を使っています。
「もっと腕をしならせろ!」と声をかけて、選手に無理ばかりをさせています。
「しなり」について適切に理解し、故障や怪我のリスクを下げながら、パフォーマンスの向上も実現させましょう。
「投手の腕がしなる」の正体を解き明かす
それでは「しなり」とは「肩」や「肘」がどのようになった状態のことを指すのでしょうか。
それは、
投球時に「肩関節」の「回旋運動」と「肘関節」の「外反運動」・「屈曲運動」を脇の下の角度が90度以上130度以下程度の範囲で行う
と、「しなり」という状態をつくることができます。
さらに詳しく「しなり」の正体を記していきます。
腕から背中、足にかけてのカーブがどこも凸凹することもなく、適切にボールに対して力が伝えることができるように体重移動をすれば、良いリリースを迎えることができます。
この時に、できるだけ「肘関節」の「外反運動」を最小限にとどめ、「肘」の「屈曲運動」と「肩関節」の外旋にストレスを委ねることができる尚更良いリリースを迎えることができます。
「負荷」と「筋肉のエキセントリック収縮」がタイミングよく切り替わると、「肩関節」は「内旋」していき腕が加速していきます。
それと同時に肘は伸展し、ボールがリリースされて、それと同時に「前腕」は「回内」し「肘」もやや「屈曲」します。
これらの一連の動作が、「肩」の「しなり」と「肘」の「しなり」の正体です。
「しなり」が実現できても良い投球ができるわけではない
ただし、「しなり」を実現すれば、良い投球ができるわけではありません。
いわゆる良い投球をするためには、
「しなり」・「体重移動」・「リリース」がタイミングよく合わさること
が重要です。
「肩」や「肘」の「しなり」が重要であることは言うまでもありません。
しかし、それと同時に「しなり」に負けないだけの、「戻してくる力」も大切になってきます。
この双方の力のバランスと、下半身の体重移動のタイミングが重要で、このタイミングが合えば、リリースは特に意識する必要はありません。
今回は、投手のことについて記してきましたが、野手の「しなり」となるとまたベツモノになってきます。
「しなり」に代表されるように、野球界ではその言葉の意味を知らずに使ってしまっている言葉がたくさんあります。
イメージも大切ですが、確かな知識をもった上で、イメージを大切にすることで、飛躍的に技術を向上させることができるでしょう。
今回の「しなり」に関した記事は、少し内容が複雑だったとは思いますが、何度か読み返して、理解しておくことで、ライバルに差をつけることができます。
野球選手はもっと身体のことを勉強するようにしましょうね!