身体がカタイからといって選手としての能力が低いわけではない
野球選手を初めとして、スポーツ選手の中であまり評判の良くない選手が存在します。
それは
身体が堅い選手
です。
しかし、これは物理という考え方からすると、
野球選手の「肩関節」が硬いから、怪我をしたり、スピードボールが投げられないということはありません。
それにも関わらず、スポーツ界では「身体が堅い」ことを悪者のように扱われる傾向があります。
例えば、「投げる」という動作を考えた時に大切なことは、
いかに地面から得たエネルギーをうまく変換・伝達しながらボールへとエネルギーを伝えることができるのか
ということです。
そのためには、「関節」の「柔軟度」は関係がありません。
体の使い方が、(人間の構造上)合理的で、うまく地面からの力をボールに伝えることができれば、関節の柔軟性などは論外です。
つまり、身体のカタサが選手のパフォーマンスを低下させることはありません。
とはいえ、ある程度の動きがなければ、効率的に力を伝えていくことは難しいので、人並み程度の関節の可動域は必要だとは思います。
それでも「人並み程度」という話です。
【野球肩の対策】身体がカタイからといって故障しやすいわけではない
また、怪我や故障の観点からも「関節」の柔軟性は関係ありません。
「関節」は「慣性の法則」や、「重力」によって地面に引っ張られる影響を受け続けています。
この影響が体にとって「ストレス」になっています。
身体のあらゆる機能を回復させるためには、この影響をできる限り、最小限に、またはできる限り受けないような状態で、本来の「関節」の機能を他動的に教えてあげることが大切です。
そのため、筋肉を揉んだり摩ったりすることも解決策になりません。
炎症反応の発赤を起こし、一時的に、血行が上がったことによる、「なんとなく楽な気がする」を作り上げているにすぎません。
15分後にはもとどおりになってしまうのが関の山です。
本日の記事で記したように、「身体が堅い」からパフォーマンスが低下したり、故障がしやすいといったことはありません。
これは、人間の身体の構造や、物理の法則を勉強すれば見えてくる事実です。
適切に体の機能と向き合い、重力などの物理的影響を考え、頭に入れた上で、実際の「プレイ」や「ケア」を考えていくことが重要だと理解してください。
体はまだまだ神秘的な存在で、日々新しい発見があります。
ある人にはあてはまっても、別の人にはあてはまらないといったことは良くあるハナシです。
業界的に言われ続けていることも、いつ覆されるか分かりません。
自分の身体に向き合う時間、勉強する時間も、身体が資本の野球選手なら必要なことだと思いませんか?