【野球肘の対策】「肘」の内側が痛いときは「肘」ばかりみてはだめ
「野球肩革命所」ということも合って、当サイトへ、「肩が痛い」、「肘が痛い」という「怪我」や「故障」に関する質問が多数頂きます。
中でも多い質問の一つである「肘の痛み」に関して今回の記事ではお伝えしようと思います。
「肘」は「曲げる」・「伸ばす」の2種類の「動作」しか原則行うことができません。
しかし「投球」時に関しては、例外的に「外反」という「肘」が外に広がろうとする「ストレス」がかかります。
その「外反」の影響で、野球選手は「肘」の「内側」を痛めることが多くなります。
つまり、「内側側副靭帯」の故障が多い傾向にあります。
よくある質問でも、「内側側副靭帯」の「炎症」や「損傷」という診断を病院からされた・・・といった内容が大半を占めます。
そこで医師から「ノースロー」を告げられ、「痛み止めの飲み薬」、「貼り薬」が処方されます。
といったセオリーができあがっています。
しかしこの「セオリー」は本当に意味があるのでしょうか。
この「肘の痛み」が出た時にまず考えなくてはならないことは、
「肘」の内側にかかるストレスは投球時のいつのタイミングにかかるのか
を考えることです。
投球時の「肘」周辺の「動作」を見ていきましょう。
投手が「ボール」を投げる時、「体」が回転してくるのと同時に「腕」や「肘」も後方から前に出てこようとします。
この際に、「肩関節」は「外旋」という「動作」である「しなり」の状態にあります。
このタイミングで、「二の腕」と「肘の内側」にストレスがかかっています。
つまり冒頭でも述べた、「外反」という無理な「動作」を「肘」は強いられていることになります。
ここで「肘」に「傷害」が発生するか否かは、「無理が大きいフォーム」か「無理が少ないフォーム」にかかっています。
つまり、どんなフォームをしてもストレスがかかっているということです。
つまり、「肘」の「痛み」が発生した時に真っ先に考えなければいけないことは、
なぜ傷害が発生するほどのストレスにまでなったのか
ということです。
つまり、痛めない投手というのはストレスが限定的で「回復」が間に合っているという解釈ができます。
反対に、痛めてしまう選手はたくさんのストレスがかかり、その「ストレス」を「回復」する機能が間に合わないから故障につながっているということです。
私が治療家時代に野球選手を施術してきて、「肘の内側の痛み」の改善に効果的だったものは、
上腕三頭筋の付着部(停止部のやや上方)の張りを取る施術をしたこと
です。
一見、「肘」とは関係なさそうな部位ですが、上記の部分に原因がある選手が大半なのです。
細かい要因などは、ここで説明することは割愛しますが、「かなりの痛みでボールが投げられない」、「握力も無くなる」といった症状の選手でも、比較的早く、投げながら改善していくことができます。
肘の内側の痛みに関してはこれでほとんどが改善していくので、後は「ストレスがかかりにくいフォーム」へと変えていくこと、肩の柔軟性を向上させていくということが大きなポイントになってきます。