野球選手の大半は社会に適応できない選手ばかり
野球は関わっている人の立場によって捉え方が違います。
野球を「スポーツ」として、あるいは「ビジネス」として、あるいは「人生」として捉えるかによって、その人の野球における将来が大きく変化します。
大半の一流選手と呼ばれる方々は以下のような言葉をかけられて野球人生を過ごしています。
それは、
「俺は野球だけしていればええねん」、「雑用なんてしなくていいねん」、「お前はそんなことしなくていいから練習しろ」
という言葉たちです。
しかし、そんな一流の選手達でも、生涯プレイヤーとして40歳まで活躍し続ける人はほんの一握りです。
だいたいはプロになったとしても30歳が限界です。
さてそんな選手達が突然に戦力外通告を受けたらどうなるでしょうか。
球団職員やスカウトとして球団に残ることができた人以外にんは、とても厳しい現実が待っています。
野球は「人間の人生というものを経験できる」という観点において、とても適したスポーツです。
科学的にも、人生で大切な要素がたくさん詰まった競技として評価もされているそうです。
それにも関わらず、日本の野球界においては、野球界を引退した後の人生は上手く適応できない人が後を絶たないのはなぜでしょうか。
あまり語られることはないため知らない人が多いのですが、本当につらい人生を歩んでいる人が多いのが現実です。
これは私自身が社会人野球まで経験してきたことによって、周りの友人やその友人の話を聞いているため間違いない現実です。
では、なぜ野球選手はこのように引退後の人生に適応することができないのでしょうか。
そんな原因をつくっているのは、
野球というスポーツにおいて選手(特に優秀な選手)に与える環境が「甘すぎる」から
と私は思っています。
プロ野球選手になるような選手の大半は、高校時代にレギュラーを経験しています。
大学野球を経験していれば、やはりそこでもレギュラーです。
野球を始めてから、常にチームになくてはならない存在で生きてきています。
さらにプロになり、ある程度注目されるような選手ともなれば、道具の一つや二つはメーカーから提供されることになります。
一般社会ではありえないような待遇の中でプロ野球生活を送り、そして引退した後いきなり社会に放り出されると感覚がずれてしまうのは誰でも理解できると思います。
ここまで考えれば誰でも理解できるのに、対策を放棄し続けているのが現在の野球界です。
特にプロ球団は引退後の人生に対しても責任を持ちながら育成していく必要があると思います。
野球の技術以外の部分だから余計なことと思われるかもしれませんが、野球界全体の発展にはつながるため、結果的に野球界を、そしてチーム自体を強化することに必ずつながります。
では、具体的にどのようなことをすれば、選手の社会性を育むことができるのでしょうか。
そのためにやることは簡単です。
例えば、「チームの道具は自分で磨く」、「バッティングゲージの準備は自分でやる」、「バッティングピッチャーも自分たちでやる」など
「野球だけやっていればいい」という環境に変化を与えること
です。
すると、おまけとして準備をする人たちの人件費も削れます。
その分選手に還元してあげれば更に状況を改善することができます。
なんでも用意してしまうと、一般社会に順応できなくなってしまいます。
引退すれば、社会においては新人です。
新人らしく物事ができるようなマインド形成を野球界は植え付ける義務があると思います。
プロまで行けばその格差は広がりますが、高校野球までやっている人でも近い状況にもあることを理解してください。
そして最大のメリットは、あらゆることを経験する中で、自分の野球技術を高めることにも必ずつながってくることです。