投手が球速を本気で上げたいなら筋トレを辞めましょう。
剛速球を投げる投手というのは非常に魅力的に見えます。
剛速球を投げることができる才能は特権と言っても過言ではなく、プロ野球や社会人野球などの職業野球に進むためには、ある程度の球速を要求されてしまいます。
とくにプロ野球においては、MAX135km/hで打者を抑えられる投手よりも、MAX160km/hで打者を抑えられない投手の方がドラフトにかかる可能性が高まります。
なぜなら、「話題性」を生むため集客につながるからです。
プロ野球には商業的な要素もあるため、どうしても華やかな選手の方が注目を浴びる傾向にあります。
野球界には、そもそもの土壌として「スピード至上主義」的な要素ができあがっているので、すべての投手が躍起になって球速を上げようとしています。
そんな球速を上げるために一番に取り組むことは何でしょうか。
おそらく、筋力トレーニング(筋トレ)をする選手が大半ではないでしょうか。
しかし、明言しておきます。
筋力をつけたからといって球速は速くなりません。
なぜなら、
単純に筋力をつけたとしても、リリース時にボールへと力を伝えられるわけではないから
です。
人間の動作における力の伝え方については、こちらの記事をご確認ください(『野球選手は「強さ」の定義を明確にしなければいけません。』)。
筋肉は負荷をかければ太くなります。
太くなれば筋力は向上します。
このエビデンス(科学的証拠)にみんな騙されて、筋トレをして体を大きくして球速アップを図ろうとしています。
しかし、このエビデンスは筋肉の一部分を「単体」として捉えている上での話です。
投球動作というものはそんな単純な力の伝達の結果ではありません。
動作とは、様々な物理的な要素、関節の形状、筋出力のタイミング、神経の情報のやりとりなどが融合した上で実現しています。
そんな一連の動作の一部分を鍛えたとしても、最終の結果(投球で言えばスピード)が向上するわけではありません。
むしろ低下する可能性の方が高いということに気づいていません。
では、球速を上げるためにはどうすればいいのでしょうか。
それは、
リリースの瞬間に100%の力を伝えられる身体の使い方を習得すること
です。
その過程で自然と筋肉がつきながら球速は速くなっていきます。
そんな時に注意して頂きたいことがあります。
それは、
一般的に言われている投球フォームや有名選手が取り入れている投球フォームは無視しなければいけない
ということです。
なぜなら、
リリースの瞬間に100%の力を伝えられる身体の使い方は人それぞれ異なるから
です。
人間の身体は一人一人全くと言っていいほど異なります。
フォルム的には同じに見えても骨格や関節、細胞レベルまで見てしまえば何をもって同じ人間と言っているのか分からなくなるほどです。
そんな人間を一人の成功事例に当てはめて考えてしまうことは、かなり危険な判断です。
自分が一番投げやすいフォームは自分の身体が一番知っています。
何度も何度も繰り返していれば、自然とその選手にあったフォームへと昇華されていきます。
その過程で一般常識など聞きいれてしまえば、簡単にバランスは崩れてしまうでしょう。
本当に球速を上げたいならば
筋トレはまずやめて、周りの声を無視して投球し続けるしかない
ということを理解してください。
現状の野球界では、ここに記した内容のような人間の「身体」、野球界では考えられない「常識」に関する知識を勉強できる場所がありません。
そこで「野球肩革命所」では「野球肩革命チームトレーナープロジェクト」を立ち上げることにしました。
「野球肩革命チームトレーナーPJ」では、社会人野球まで経験した「柔道整復師」の資格も持つトレーナーが、「出張治療」として身体の改善を行いながら、「怪我」・「故障」のリスクを下げる身体作り、さらには技術が向上する身体の使い方の指導までを「チーム単位」にて行っています。
一人では高額な「トレーナー」を雇うことが困難でも、「チーム単位」で行えば一人当たりは低料金で取り入れることができます。
本気でプロを目指し、本気でサポートしていきたいと考えるのであれば、早くからやればやるほど効果的です。
これからの野球選手は、身体の知識を持って、「疲労の回復」と「故障しない身体創り」を行えば自然と上達していきます。
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