野球選手に身体測定は必要ない

遠投がすごい?足が速い?それがどうした!

野球に限らずスポーツ界では、すごい数値が出れば一目置かれます。

例えば、「ジャンプ力」がある、「遠投」が平均よりも遠くに投げられる、「50m走」が速いなどです。

数値に見える化することは確かに目安になったり、目標としてトレーニングしやすくなるため有効的でしょう。

しかし、それはあくまで目安だと言うことを忘れてはいけません。

そして、あくまで野球選手であることを忘れてはいけません。

それらの身体的数値が必要なのは、野球選手ではなく陸上選手です。

冬の練習前に、体重や身長、体力測定をし、冬が明けた後にそれらの数値が伸びることに明確な意味があるでしょうか。

数値が伸びれば野球が上達するのでしょうか。

数値が伸びればチームが勝てるのでしょうか。

すべてに意味がないとまで言いませんが、野球選手であれば順序が逆です。

数値を伸ばすことが目的ではなく、

野球に必要なことをしていたら、いつのまにか数値が伸びていた

というのが野球選手として正しいあり方です。

身体能力が高くて期待されても全く結果が出せない選手はたくさんいます。

反対に、大した身体能力はなくとも結果を出す選手もゴロゴロいます。

砲丸投げの世界ナンバーワンの選手が最高の投手ではないこととから数値に何ら価値はないことが明らかです。

測定の結果をもとに、練習内容を決定し、冬の間に測定値を伸ばすことに時間を費やすことほど無駄な練習はありません。

あくまで数値を測るならお遊び程度の感覚でやりましょう。

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野球選手として能力を伸ばすために必要な考え方

投手がスポードだけを求めても勝てる投手になることはできません。

仮に目指すなら200km/h投手になる方法を模索するなら良いでしょう。

しかし、それは身体的な特性が重要になってくるので誰もができることではありません。

では、野球選手として必要な能力を伸ばすためにはどうすれば良いのでしょうか。

投手を例に考えてみましょう。

投手であれば

打者との駆け引き、自分の特性をわかっている投手が勝利を掴む

傾向にあります。

スピードボールを投げられるということは、あくまで一要素であって根本的な問題ではありません。

そのスピードボールの基準も曖昧で、同じ地区の人間の中で速いのか、全国区として速いのか、世界的に見て速いのか、世代で見て速いだけなのかによっても大きく結果は異なります。

つまり、そんな枝葉末節を追い求めても意味がありません。

その結果が数値を求めたトレーニングにつながってしまっています。

投手はジャンプしながら投げることがあるでしょうか。

走りながら投げるでしょうか。

遠投が遠くまで飛ぶと速い球が投げられるのでしょうか。

もう答えはでているはずです。

野球選手にとって必要な能力とは、

実際の野球の動作の中でしか効率的に鍛えることはできない

ということを。

トレーニングというのは、ほとんどが補完にさえなりません。

邪魔な筋肉をつけるとパフォーマンスは必ず低下します(パフォーマンスの捉え方も大切になってきますがそれはまた別の機会に)。

試合に勝つため、試合に出場するため、試合に出場して活躍するためにはいくらでもやらなければならないことがあります。

「監督の考え方を理解する」、「バッテリー間で相手チームの分析をして攻め方の勉強をする」、「自分の調子が悪い時や良い時の攻め方」など上げ始めたらキリがありません。

ただでさえ短い野球人生において、無駄な練習は断捨離し、野球選手として本質的に成長できるような練習に取り組まなければ楽しい思い出は残せないでしょう。

冬場でできる練習はどうしても限られてしまうかもしれませんが、野球から離れた練習をしてはいけません。

いっそのこと単純な筋トレをするぐらいなら他のスポーツをやっていた方がいいでしょう。

測定の数値によって判断され、埋もれていく選手なんてもったいなさすぎます。

数値を知ることで精神的に弱くなってしまう選手なんて今すぐ測定を辞めるべきです。

それぞれの選手に持ち味があり、特性が違います。

オンリーワンが沢山集まったチームはかなり強いチームです。

これから規格外の野球選手が生まれるためには、

遠投がすごい? 足が速い? それがどうした!

この考え方がとても大切です。

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