野球の最高の指導者とは何も教えない指導者
何か矛盾しているように感じるかもしれませんが、最高の指導者とは選手に対して何も教えない指導者です。
特に小学生、中学生に向けた指導は不要です。
不要というよりむしろ弊害と言ってもいいかも知れません。
人間の幼少期は何事においても感受性が高い時期です。
そのため、言われたこと、教わったこと、周囲の環境を素直に受け入れ実行します。
見たもの、聞いたもの、触れたものをすぐに反映することができる能力を持ってしまいます。
しかしこれらは良いことばかりではなく、良くないものに触れればそれだけ素直に吸収してしまうことも意味しています。
簡単に言えば、
素直であると同時に騙されやすい状態
と言えます。
とはいえ、野球界の指導者全員が選手をだましていると言いたいわけではありません。
全ての指導者が、選手全員に上手くなって欲しいと思い、試合で勝ち、試合で活躍してほしいと心から思っているでしょう。
しかし、現実的な話で言えば、チームにいる野球選手の子ども達に一人一人に事細かく、その選手にあった指導をすることはできません。
その結果、まんべんなく当たり障りのない指導をすることしか方法がなくなり、好意で指導しているはずのことが、実は一人の選手にとってはマイナスとなってしまっています。
物理的に考えて、一人の指導者が何十人もの選手をたった一つの方法で上達させることは不可能です。
では、指導者にできること、本来求められることとは何なのでしょうか。
それは
選手の様子を黙ってみていること
です。
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