投手の誰もが憧れるスピードボール。
投手の仕事は点を取られないようにすること、という絶対的な役割を忘れてしまうほど、投手はスピードボールを投げたがります。
そこには、投手を務める選手の性格的な部分も表に現れているように感じます。
投手とは良くも悪くも目立ちたがり屋が多い傾向にあります。
表舞台、裏舞台ともに関係なく目立ちたいという心理があるように感じます。
いくらコントロールが良くてもスローボールで打者を翻弄したとしても、打者の調子が悪いと取られます。
反対に、スピードボールによって翻弄すれば投手がすごいと思われます。
そして
目立ち
ます。
つまり、たくさんの評価を欲しいのが投手ではないでしょうか。
という半分冗談はさておき、投手がスピードボールを求める理由として、
プロ野球選手になりたい
(プロのスカウトがスピードボールは選手を見極める項目としている)というのが一番ではないでしょうか?
スピードボールが投げられればそれだけで将来的に好きな野球が長くできる可能性が広がるということが言えます。
そして、様々なメディアもスピードボールを投球する投手はネタとして取り上げることが多いと言えます。
さらにはもっとありとあらゆる要素が絡まるようにあることで投手はスピードを求めてしまう傾向にあるのでしょう。
この
プロに行きたい、目立ちたい
という投手心理によって、本来の目的とは異なるスピードボールを求める傾向が強くなっていると言えると思います。
そして、
スピードガンの普及
です。
現代では高校生もほとんどの試合において、各投手のスピードを測定するようになりました。
それによって、より意識するようになっているということも事実だと思います。
電光掲示板の球場では球速が毎回表示され、甲子園等ではテレビにも表示される時代となっています。
投手のスピードガンの球速を追い求め過ぎてしまう傾向はまだこれからも歯車のスピードは止まらないでしょう。
さて、このスピードを求めていくことの弊害として、地球の力を活用した本当の意味でのうちにくいストレートを投げる投手が減っているように感じます。
ただの球速では測れない何かによって打者を翻弄する投手が減っているように感じます。
スピードガンの球速はそれほどでもないにも関わらず、打者に「速い」という言葉を連呼させるようなボールを投球する投手は減っています。
これが
弊害
のように感じます。
投手の本来の目的は0点に抑えることです。
それなのに、スピードを求めるあまり、打たれにくいボールではなく、打たれやすいボールへとなってしまっているような気がすることから本末転倒ではないかと疑問に思えてしまっております。
もちろん、スピードボールを投球することによって、将来的に野球をする選択肢が増えるということは紛れもない事実ではありますが、今一度基本に立ち返った上で、スピードボールを追求する形が望ましいのではないかと思います。