アイシングが必要な時
スポーツの現場ではよく見かける「アイシング」。怪我をしたときやクールダウンの時によく見かけます。
先日の記事で記した「肩を冷やすとダメな理由をちゃんと解説してみました。」では肩を冷やすことのデメリットについてお伝えしました。
その記事がかなりの反響があったので、さらに詳しく「アイシング」全般についてのお話しをしたいと思います。
野球において、アイシングをする時ってどんな時でしょうか?
・ベースを回った時にブチって言って歩けなくなった時
・守備でスパイクが引っかかり足首を捻って捻挫した時
・投手が投げ終わった時
・持病がありよく痛くなるところがある時
・デッドボールが当たった時
他にもあると思いますが、このような時には一様にして「アイシング」を行っているのではないでしょうk。
しかし上記4つの例で言えば、本当にアイシングが必要な時というのは、足首を捻挫し、かなり腫れてしまい、かつ「痛く」てとても身動きが取れないような状態の時のみです。
アイシングというのはその時の「痛み」を和らげる(というより誤魔化す)効果しかありません。つまりはよくはなっておらず、よくなった気がしているだけです。
痛みや腫れは修復のサイン
人間の身体というのは、不思議にも理にかなった仕組みになっています。
痛めたところの炎症が広がると、次々に周りの細胞を巻き込んでいき故障範囲が拡大していくということも言われたりしています。
しかし、結局のところ、「痛み」や「腫れ」というのは捻ってしまったことによる、「警告」と「修復のサイン」を身体が伝えているだけで、この「警告」と「修復のサイン」をなくすようにしてもよくはなりません。
むしろ、「修復」のための一過程を阻害してしまうことは、早期回復には避けなければなりません(でないと身体が回復しようという次の段階にすすめません)。
この一家庭を阻害するもの・・・その一つが冷やすという行為です。つまりはアイシングをすること。
野球選手はとにかくよく冷やします。痛いところがたくさんあるのかもしれません。
しかしそれは冷やさなければならないほど、我慢ができない痛みでしょうか?我慢できないのであれば、治りが遅くなるということを覚悟の上で、冷やしてください。
しかし痛みが我慢できるのであれば冷やさないほうが早く治ります。これは経験及び、データー上共に実証されております。
なのになぜ冷やすのか
このようなことが判明してきているのになぜ冷やし続けるのか。
それは、トレーナーに言われたから、冷やしたほうがよく治るから、など言われているケースが多いからでしょう。
いつも記していることですが、自分の体で商売道具の身体なのですから、一度よく考え、自分で検証し答えを導き出さなければならないのではないでしょうか。
医者やトレーナーというのは野球をやったことがないケースが往々に見受けられます。本当のところの理解はほとんど得られないですよ。(って自分が怪我をしたときに全国中まわって経験しております)
アイシングは神経的な痛みを抑えつつ血流も減少させるので、血液の中にある発痛物質が抑えられます。そのため「痛み」は治まってきますが、それと同時に血液の中の「修復物質」も抑えられてしまいます。
これが治りが悪くなる要因の一つでもあります。
身体全般にも言えることですができるだけ冷さないことが早期回復のポイントです。それは炎症が起こったとしても我慢できる炎症であれば、冷やしたり痛み止めの薬も飲まないほうが早く治っていくということを意味しています。
今回の記事をを踏まえた上で、自分で検証し、自分の身体に聞いた上で、自分にあった方法で日々の練習や試合に取り組んでいただけたらと思います