野球肩が発生する理由と原因
では肩の「痛み」は何が原因で、いつ発症するのでしょうか。
「肩関節」は「ボール」を投げる時に、それなりの速度で「回旋(かいせん)」することはイメージがつくと思います。
その際に不安定な「肩関節」はどうにか安定を保とうとします(『「肩関節」は「不安定」だからこそ「凄い」 この意味が理解できればあなたは上手くなる』)。
この時に関与する筋肉が「インナーマッスル」と呼ばれ、「インナーマッスル」は非常に小さな力で関節を安定させています。
肩関節の安定性は多くを「インナーマッスル」に依存しています。
しかし、投球動作というのは、日常生活では考えられない、人間の許容を超えるような「回旋」を強いるため、安定をさせるためには無理をさせなければいけません。
加えて、投球動作完了時には、加速された腕を瞬間的に止めていく役割も担う必要があります。
この動作が何度も反復されることで、動作時にかかわるインナーマッスルは疲労していきます。
この疲労が極限にまで高まってしまうと、正常な働きができなくなり、「肩関節」の安定性が保たれなくなります。
「安定性」を失ってしまった「肩関節」は内部で組織同士がぶつかり、こすれあいます。
その結果、「炎症」が起こり、さらに「炎症」が悪化すると「損傷」し出血を始めます。
これが野球肩が発症する構造的な原因です。
つまり、肩の痛みというのは、「肩関節」を反復的に使用することによる「疲労」と「回復」のスピードがアンマッチングとなり、「疲労」が蓄積された結果として発症しているということです(『【野球肩の対策】障害って何か知ってますか? ~野球選手の故障の9割は障害~』)。