肩関節と股関節の関係を理解しよう。

肩関節と股関節の関係を理解しよう。

投手の「肩関節」と「股関節」は密接な関係をしています。

右投手であれば「左股関節」、左投手であれば「右股関節」です。

この「肩関節」と「股関節」が密接に関係することで、投球動作を完成させることができています。

少し専門的な話になってしまうため、内容が難しくなってしまいますが、何度か繰り返し読んで身体の仕組みを理解しておきましょう。

野球選手が身体の仕組みを知らないことは、自動車の運転で言えば、「ブレーキ」の役割も知らずに運転しているようなものです。

投球動作時の肩関節と股関節の関係性

右投手を仮定して記すので、左投手の場合は逆に置き換えて考えてください。

投手は投球時に足を上げてステップします。

その際に、投球する腕を上げ始めます。

いわゆる「アーリーコッキング期」です。

その後、足をついた時に「左股関節」は「外旋筋」が働き内旋していきます。

ここから「アクセレレーション期」に入り、「右肩関節」は緊張することなく「外旋」方向に捻られます。

そしてある一定の限度を越えると、「右肩関節」は「内旋筋群」が働き「外旋」されていきます。

この時もまだ「左股関節」は「外旋筋群」が働きながら「内旋」しています。

その後、「右肩関節」が「外旋」によって捻られる力より「内旋筋群」の「反射」の力が上回った状態になった時、「右肩関節」は「内旋」方向に加速し始めます。

そして「左股関節」が「外旋筋群」の緊張が高まりながら「内旋」しきった時に、リリースの瞬間が訪れボールを投げることができています。

「内旋」・「外旋」が分からない方はコチラの記事を確認してください(『【野球肩の対策】野球選手が上手くなりたきゃ「内旋」・「外旋」を理解しろ!』)。

少し難しい話になってしまいましたが、何が言いたいかというと

「右肩関節」と「左股関節」は同じように「内旋」することでボールを投げることができている

ということです。

肩関節と股関節の関係性で見えてくるもの

上記のような作用が働いて投球動作が完成していることを考えれば見えてくることがあります。

それは、

怪我・故障につながる可能性を高めてしまっている要因が見えてくる

ということです。

「上記の作用に問題はないのか」、または「その作用に関連する筋群が異常な動き方をしていないか」ということを見ていけば見えてきます。

またパフォーマンスを高める上でも、野球選手がボールを投げる「動作」において、投げる側と反対の「股関節」が重要な役割を果たしています。

つまり、

「股関節」で力を分散してしまわないように「肩関節」と力の伝達をできるだけ長くできるか

ということです。

「投げる」というほんの一瞬の出来ごとの中で、「股関節」と「肩関節」の間では壮大な「力のやりとり」が繰り広げられています。

この「力のやりとり」を感じながら練習するのとしないのとでは雲泥の差です。

「外旋筋群」が働いているにもかかわらず、「関節」は「内旋」しているというのは矛盾しているように感じるかもしれませんが人間の動作ではよくある話です。

しかし、「トレーニング」や「練習」では真逆を意識して行っていることが大半です。

少し難しい内容の記事になってしまいましたが、野球選手がパフォーマンスを高めたいのであれば、人間の動作の仕組みを理解することが最も効率的です。

そもそも考えてみれば、身体を資本としているスポーツ選手が自分の身体の仕組みを勉強しない時点で異常だと感じるのは私だけでしょうか。

さらに言えば、指導者の立場にある人間がまったく身体の知識がないのはさらに異常なことではないでしょうか。

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