とりあえずアイシングする無意味さ
ピッチャーのアイシングに関しては賛否両論あると思います。
しかし最近では、アイシングをしないプロ野球選手も増えてきたようで、アイシングのデメリットが理解されてきているのかなと思っています。
個人的にはとても嬉しく思っています。
賛否両論は別としても、アイシングに関しては最大の問題があります。
それは、
アイシングをやることに対する明確な「メリット」・「デメリット」が、「トレーナー」ないし「監督」、「コーチ」から説明がないまま行っていること
です。大半の選手がそうだと思います。
まさに「とりあえずアイシング」をしている状態です。
トレーナーや監督が「冷やせ」というから冷やしているというのが実態でしょう。
選手に指示を出す立場である監督もがアイシングに関して理解していないことが問題ではありますが、選手本人が自分で調べることをしない方が問題です。
仮に何らかの目的意識をもって間違いを犯しているのであれば(アイシングは無意味という観点で言います)、検証をするため方向転換することが可能です。
しかし、鵜呑みにしている限り、間違いに気づくこともなく延々と続けることになります。
この場合、行っていることが無害であればまだいいのですが、アイシングに関して言えば、デメリットが存在していることが問題です。
ピッチャーがアイシングしている時に「肩」で起きていること
さて、アイシングの目的はなんでしょう。
一般的に言われていることで言えば、「疲労回復」や「炎症の抑制」でしょうか。
アイシングを始めてから約20分経過し、アイシングを外した時にピッチャーの「肩」はどうなっているでしょうか。
ピッチャーが投球時に疲労をしやすい部分は、「関節」により近いところの「筋肉」や「靭帯」です。
この「筋肉」や「靭帯」の特徴は、血管の分布が少ない組織と言われています。
反対に、肩の外側にある大きな筋肉には血管がたくさん張り巡らされています。
「関節」により近い「筋肉」や「靭帯」は血管の分布が少ないため、血流が乏しく冷えやすい特徴も持っています。
つまりこれは、回復しにくいということを意味しています。
ピッチャーにとっては、該当する「筋肉」や「人体」の疲労回復を促進させたいことを考えれば、血流を増加させる必要があるはずです。
つまり、「冷やす」よりも「温める」ことを優先した方が良い気がしませんか?
アイシングをするということは、ただでさえ冷えやすい血流をさらに弱めることになります。
この先は言わなくても想像がつくと思います。
アイシング中の状況に関しては、上記で理解できたかもしれませんが、もう一つ大きな問題も存在しています。
アイシングの基本概念である、
「せきとめた血流がアイシングを辞めたと同時に急速に流れることで疲労物質を流し去る」
というものがあります。
しかしこれも、人間の血管には、一つの血管が妨げられても、調整機能で別の血管を活用し、血液を流す機能が存在します。
つまり、せきとめられている状態が完成しているかは怪しいところです。
仮に、アイシングが血流をせきとめず、ただただ大切な部分の血流を妨げているだけであれば・・・と考えれば恐ろしくなってきませんか?
ちなみに「炎症」という生理的作用はなんのために起こるのでしょうか。
体が痛めた部分を修復させるためにシグナルとして発する行為です。
この行為を冷やして止めてしまうことは体からすれば、修復を妨げる行為と言えます。
アイシングが良いのか悪いのかより大切なこと
ここに記されているアイシングのことに関して信じる、信じないはこの際問題ではありません。
今後、「アイシング」についての正しい知識は広まっていくと思いますが、ここに記された内容を検証していない選手ばかりであることが最大の問題です。
試合後にアイシングをした日と、アイシングをしなかった日の翌日の経過を比べたり、逆に温めてみた日の翌日の経過をみたりしたことはあるでしょうか。
「言われたからやっている」は理由にはなりません。
この記事を見ているのであれば、考えようという意思はあるはずです。
本日を良い機会だと思って、今やっているトレーニングや身体のケア、メンテナンスについて検証してみることをおススメいたします。
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