野球肩の対策という観点からみた三角筋の役割について
野球肩革命所では野球肩(肩関節の痛み)を防ぐために、人間の身体の構造について学ぶ必要性を伝えてきました(『野球肩を根本的に防ぐために肩関節の構造を知ろう。』)。
基本的には、ごくごく小さな筋肉群や関節に触れてきました。
いわゆるインナーマッスルと言われる筋肉で、「棘下筋」、「棘上筋」、「肩甲下筋」、「小円筋」と言われるような筋肉です。
しかし、肩関節に関わる大きな筋肉、いわゆるアウターマッスルに関してあまり触れてこなかったので本日は三角筋について触れたいと思います。
今までアウターマッスルに触れてことなかったのは、アウターマッスルが大切ではないということではありません。
ただ目に見えてわかりやすい部分だったため、目に見えない基礎的な筋肉を中心に伝えてきたしだいです。
アウターマッスルもインナーマッスルもお互いが連動することで人間は動作が実現できているため、どちらも大切な筋肉であることは忘れないでください。
では三角筋に関して野球選手にどのように関わってきているのか見ていきましょう。
三角筋は名前のごとく、体から切り離して広げてみると、三角の形をしています。
英語表記ではdeltoidと明記し、日本語で言えば三角形という意味です。
そして、この三角筋というのは、人間の動作において「腕を持ち上げる動作」に大きく関与しています。
腕が自由自在に広範囲に渡って動くことができるのは「三角筋」の力によるところが大きいでしょう。
そんな三角筋は、肩関節を覆うように外側に付いています。
三角筋は「前部線維」、「中部線維」、「後部線維」に分類され、全てが肩甲骨から上腕骨(腕の骨)の中間くらいに付着します。
三角筋の付着位置を考えると、肩関節に対して、安定性を損なわせる働きをすることが考えられます。
その反対に腕を楽にあげられるようなメリットも考えられる付着位置です。
これはいつも野球肩革命所を読んで頂いている方にはご理解いただけると思いますが、肩関節は不安定だからこそ自由自在な動きが実現できるという分かりやすい例です(『「肩関節」は「不安定」だからこそ「凄い」 この意味が理解できればあなたは上手くなる』)。
三角筋が安定性を損なわせながらも腕を自在に動かし、インナーマッスルが肩関節により近いところに位置して働くことで、関節を守りながら大きなエネルギーを生み出すように働いています。
つまり、三角筋が安定性を損なわせてもインナーマッスルの連動が適切に行われていれば、肩関節への負担が軽減されるということです。
三角筋を大きくしたり、インナーマッスルを大きくしたりすることで肩関節を守るわけではありません。
そもそも役割が異なっています。
そして、野球肩革命所では筋トレをおすすめしていいなのが、運動形態の種類的に、これらの三角筋とインナーマッスルの連携を断ち切るトレーニングになってしまうからです。
仮に三角筋が大きくなり、連携が損なわれていると発生するエネルギーが大きいだけに肩関節への負担が大きくなることは想像に難くないと思います。
ただし、三角筋がモノを持ったりする際には安定性の維持に大きく関わっているため、トレーニングをする必要性があることは確かです。
その方法は現在検証中なので今後の発表を楽しみにしてください。
三角筋に関してご意見・質問がある方はぜひご連絡ください。
安易なトレーニングだけは避けてくださいね。
現状の野球界では、ここに記した内容のような人間の「身体」、野球界では考えられない「常識」に関する知識を勉強できる場所がありません。
そこで「野球肩革命所」では「野球肩革命チームトレーナープロジェクト」を立ち上げることにしました。
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