アイシングは野球肩の予防・対策にはなりません
野球肩革命所では「アイシング」に関して完全に否定する立場をとっています。
なぜなら、
野球選手が求めている効果である「疲労回復の促進」、「故障(とくに野球肩)の予防」にはつながらないから
です。
むしろ、それらの逆効果になっていると考えているからです(『投手の肩にアイシングするのは回復を遅らせているって知ってた?』)。
アイシングが身体に与えている影響を分かりやすくするために、ある質問をしたいと思います。
それは
鎮痛剤は身体に良いと思いますか?
というものです。
鎮痛剤は身体を麻痺させて痛みを感じさせないようにするものです。
かなりの緊急自体の際に身体を動かさなければならない時に使用するものです。
しかし「痛み」をごまかした状態で動き続けると症状が悪化してしまうことは誰でも分かることでしょう。
なぜ、「鎮痛剤」の話をしたのでしょうか。
それは、
アイシングは「鎮痛剤」を服用しているのと同じだから
です。
投球後には、肩関節に小さな炎症が発生しています。
文献次第では、筋繊維の微小断裂も発生しているという説も存在します。
微小断裂とは肉離れに近い状態です。
本当かどうかは定かではありませんが、そういった研究結果も発表されています。
しかし、炎症とは身体にとって考えれば悪いことではありません。
炎症しない方が良いのは当然ですが、野球のような肩関節を異常なまでに酷使するスポーツは他にないので、炎症しないわけはありません。
そんな中で身体がなぜ「炎症」するのかを考えたことがあるでしょうか。
炎症は
身体の治癒力を高め、酷使された肩関節を修復するために、血液を多量に集めようと脳に指令する生理現象
です。これが炎症です。
もっと簡単に言えば、
「痛み」や「張り」の形で「身体を動かさないで」という忠告を出している
ということです。
それと同時に栄養を運んで治そうとしています。
「アイシング」とは、その生理現象を阻害してまで、目の前の「痛み」を早くごまかすためにやっているに過ぎません。
まさに「鎮痛剤」と同じ効果です。
どんな末路が待っているのか考えると、恐ろしいですよね・・・・。
しかし、それでも「アイシング」してしまう気持ちは分かります。
なぜなら、私も現役時代に、野球肩で悩まさ、毎日数回のアイシングとロキソニンを毎日3〜5回服用し、タイミングによってはボルタレンも服用しながらプレーをしていました。
まさに薬漬けです。
しかし、それだけやっても自分の思い通りのプレーはできません。
鎮痛剤をいくら使ったところで野球肩の痛みはほとんどなくなりませんが、何らかのアプローチをしているという、その瞬間の安心が得られるため継続してしまいます。
というより辞めるのが怖くなります。
しかし、野球界を離れ、人間の身体の構造を勉強してしまえば、アイシングで得られる安心には全く意味がありません。
そんなことが野球界では必ずやらなければならないものとして取り扱われています。
他のスポーツでは最先端の人たちはまったくやっていません。
それにも関わらず野球界は気づきません。
むしろ奨励を続けます。
あくまで「アイシング否定論」も一つの意見に過ぎませんが、納得がいくいかないは別として、一度は「アイシングの効果」について検証してみるという機会は持つようにしましょう。
もっと詳しく知りたい方は『ピッチャーとアイシングの関係についてすべてを語る ~アイシングの必要な時と不要な時~』
現状の野球界では、ここに記した内容のような人間の「身体」、野球界では考えられない「常識」に関する知識を勉強できる場所がありません。
そこで「野球肩革命所」では「野球肩革命チームトレーナープロジェクト」を立ち上げることにしました。
「野球肩革命チームトレーナーPJ」では、社会人野球まで経験した「柔道整復師」の資格も持つトレーナーが、「出張治療」として身体の改善を行いながら、「怪我」・「故障」のリスクを下げる身体作り、さらには技術が向上する身体の使い方の指導までを「チーム単位」にて行っています。
一人では高額な「トレーナー」を雇うことが困難でも、「チーム単位」で行えば一人当たりは低料金で取り入れることができます。
本気でプロを目指し、本気でサポートしていきたいと考えるのであれば、早くからやればやるほど効果的です。
これからの野球選手は、身体の知識を持って、「疲労の回復」と「故障しない身体創り」を行えば自然と上達していきます。
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