左投手のクロスファイヤーはなぜ打ちにくいのか
人間の身体の構造を考えれば、
「左投手」は「フォーム」の指導を受けなかった場合、投球する腕はどんどん上がり、右足はつっぱる傾向
にあります。
反対に、「右投手」は投球する腕が下がり、左足は曲がっていきます。
この違いを一歩深めると、
「左投手」の方が右足がつっぱるため腰が高くなり、さらに「腕」が上からくるため、「右投手」に比べ、高いところから「ボール」を投げる
ということを意味しています。
次に考えることは、この傾向が打者にどのような影響を与えるのかということです。
打者は、
高いところから「ボール」がくるとリリースが早まった感覚になり、結果的にタイミングがとりにくいボールだと感じる
傾向があります。
そのため、
「左投手」のボールは「右投手」に比べ差し込まれやすい傾向にあり、その力を最大限に発揮する「コース」こそが「対角線」に投球する「ボール」
です。
この感覚を表現する言葉として「クロスファイヤー」という言葉が生まれ、左投手にしか投げられない特有のボールとして注目されています。
とはいえ、最大の要因は「左投手」の絶対数が少ないため、「右投手」の「ボール」に打者が見慣れていることが大きいことは否めません。
しかし、そのような「錯覚」といったレベルの話だけではなく、「左投手」と「右投手」は身体の構造上からはっきりとした違いがあることをご理解ください。
そもそも人間の身体には偏りがあり、その偏りを生かして行うスポーツこそが「野球」であるため、左右対称に鍛えようとすることが根本的に間違っている証拠でしょう(『左右対称に鍛えることに意味はない』)。