野球の指導者の立場を考えたことはありますか?
まず、大前提として考えてほしいことがあります。
それは、
自分のチームの選手に下手になってほしいと思っている指導者はいない
ということです。
100人部員がいればその100人すべての選手に上手になってほしいと思っているはずです。
しかし、どうやら選手にはそのような事実に伝わっていることは少ないようです。
一度、指導者になった気分で自分のチームをながめてください。
すると一つの大切なことが分かるはずです。
それは、
指導者は、試合に勝たなくてはいけないという使命を背負っている
ということです。
その中で、常に選手の起用を考えて葛藤しています。
皆うまくなってほしい、試合に出て大活躍してほしい、しかし勝利を優先すると、使える選手と使えない選手が出てくる・・・
という葛藤が常に頭の中にあるのです。
選手も一つ大人になって、指導者のそんな葛藤を理解することも大切なのではないかと思います。
なかなか中学生や、高校生に理解を求めることは難しいのかもしれません。
しかし、指導者と選手との距離を縮めるためにも理解し合える部分は理解し合った方がメリットが多いでしょう。
さらにこれが実現できれば、サインなどいらなくなるような意思疎通ができることも実現できるのではないでしょうか。
とにもかくにも、監督を含む指導者は、うまくなるために理不尽なこともいうかもしれません。
合理的ではないことをいうかもしれません。
納得いかないことばかりかもしれません。
しかしそれは選手一人一人のことを、チームのことを、勝利のことを第一に考えた結果だと思ってください。
選手側の言い分と指導者の言い分がマッチングすることはほとんどないのかもしれません。
しかしできるだけ近づけようとすることはできるはずです。
その結果、相乗効果が生まれ、きっとチームの勝利につながります。
大人の付き合いで大人の野球ができるチームを目指すことが、関わる人間すべての成長につながります。
決してこれは、指導者の言うことを鵜呑みにしたり、言うことばかりを聞き続けることを意味しているわけではありません。