アイシングの使いどころ
以下の例を基に「アイシング」の使いどころを考えていきましょう。
【1】Aさんが捻挫したが、状況は歩けて、腫れはさほどないという状況
【2】Bさんが捻挫し、状況は歩くことはできないが、晴れはさほどないという状況
現在の野球界では、おそらくどちらの状況であってもアイシングしています。
しかし、AさんもBさんも、置かれている状況によってアイシングするべきかどうか判断は変化します。
当然ながらアイシングをせずとも痛みも疲労回復の促進も両方やりのけてしまう治療家がいるケースは除きます。
答えから言えば、Aさんは「アイシングしない」、Bさんは「アイシングする」と判断すべきでしょう。
ただし、Bさんの治癒が遅くなる可能性が高くなるということは理解しなければなりません。
つまり、先を見据えて目の前を断念できるのであれば、「アイシング」をしない方が治癒がはやまります。
しかし、明日がどうしても抜けられない公式戦で最終試合となった時、選手の感情は一入でしょう。
アイシングという行為は、非常に繊細な部分があります。
適応させるか否かは、「怪我の状態」、「選手の状態」、「選手の痛みの感じ方」などによって、変えなければいけません。
間違っても「とりあえず冷やしておけ」という判断は危険です。
状況による見極めなしにアイシングをして、回復が遅れてしまい故障が長引いてしまったという話はよくあることです。