アイシングは「肩」や「肘」のどこを冷やせばいいのか
治療院やトレーナーをやっていると、必ず聞かれることがあります。
アイシングってどこをどうやればいいの?
という質問です。
とくに投手にとっては「肩」や「肘」が商売道具といっても過言でないぐらい大切です。
そこで、本日は、アイシングについて記していきたいと思います。
そもそも、アイシングには賛否両論あることは感じてはおりますが、冷やさないとダメという選手がいらっしゃることも理解しています。
しかし、そういった選手に是非見ていただきたいのがこの記事になります。
野球選手の方が疲労する構造
すこし専門的な内容になるので、一度目はあまり深く考えずに読み進めてください。
投手に限らず投球時に肩において最もストレスとなる筋肉は、棘下筋(きょくかきん)という肩甲骨面から上腕骨に着く筋肉です。
他にももっと強いストレスを受ける筋肉もたくさんあるのですが、疲労と回復というところにフォーカスすると、最もストレス、ダメージを受けやすいのが棘下筋となります。
しかし棘下筋は棘上筋と合流しする、肩甲骨の下のトンネルをくぐって上腕骨に付着する筋肉である肩峰(けんぽう)、が、肩甲骨下のトンネルと摩擦が発生することでダメージを受けると言われています。
肘においては、加速期に外反と言われる作用が働くために、肘の内側へのストレスが高まります。
しかし、これは加速時に上腕三頭筋肉も収縮しながらということから、その付着部から内側にかけた領域へのストレスが最も高まると思います。
よって、肩関節、肘関節のエリアのアイシングポイントは、
【肩のアイシング】
肩外側の肩甲骨の肩峰のやや下部分をアイスバッグを中心において出来るだけすべて密着させるようにして、弾性包帯を巻いて固定する形が一番だと思います。
【肘のアイシング】
内側やや後方(肘の後ろの方)を中心として、肩と同じようにアイスバッグを全て密着させて、弾性包帯で巻きます。
肩、肘に関しては1箇所ずつアイシングすれば十分かと思います。後のエリアはできる限り温め、血流を促進させるようにしてください。
でも実はアイシングって・・・
アイシングは血流を阻害するために、アイシングにより、血行、神経的にも感覚が鈍くなったりなど、痛みが和らぐようにも思えます。
しかし、実際修復物質は血液にのってやってきますので、冷やして血流を乏しくしてしまうと修復物質までも来なくなってしまい修復も遅くなるデメリットがあります。
実はアイシングって
修復作業を阻害している一面がある
んです。
痛みというのは、ある意味、身体に対して修復作業を促すシグナルです。
そのシグナルを阻害するということは、身体は修復する必要があるにも関わらず、しなくてもいいという判断を下してしまいます。
アイシングとはつまり、その場しのぎ的な処置であることを理解した方がいいと思います。
上記のようにアイシングは賛否両論に分かれますが、冷やすというところを考えると、今回の記事で示した場所を参考にされてみてください。