【野球肩の対策】ストレッチが肩関節の可動範囲を狭めている?!
野球肩は野球選手として選手生命を大きく左右してしまう故障の代表です。
投手であれば特に、「肩」や「肘」に対しては神経質になってしまうものです。
そんな時に、「野球肩」への対策として、一番に考え付くものはストレッチでしょう。
しかし、
そのストレッチが逆に肩関節の可動域を低下させている
としたら、あなたはどうしますか?
今回の記事では、「肩関節」の「ストレッチ」について検証してみましょう。
ストレッチが身体にもたらす効果
「肩関節」の「ストレッチ」といってもいくつもありますが、野球選手が自身で行える「ストレッチ」となると限られてきます。
「ストレッチ」には「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」があります。
「静的ストレッチ」は、筋肉を引き伸ばせば延ばすほど、時間が長ければ長いほど、伸ばすことができます。
伸びるということは「関節」の可動範囲を広げることになります。
しかし、このストレッチ形態は、筋力の低下を招きます。
イメージしてみてください。
「輪ゴム」を伸ばせば延ばすほど、時間が長ければ長いほど、「輪ゴム」は伸びていきます。
その時に、そのゴムに縮む力は残っているでしょうか。
ありませんよね。
「輪ゴム」と「筋肉」がまったく同じではないので、イコールではありませんが「筋紡錘(きんぼうすい)」と呼ばれる筋肉の伸びを検知すセンサーの働きで、「筋肉」が伸びきった状態で戻りにくい状態になります。
「筋肉」は伸び縮みすることでエネルギーを作っているので、その縮む作用を低下させることになります。
反対に反動などをつけて行う「動的ストレッチ」は反動をつけているので、引き伸ばした後に、加速しながら戻るので、縮みやすい筋肉をつくることができます。
しかし、「動的ストレッチ」では力は発生させやすい状態をつくることができますが、「関節」の可動域を狭めてしまいます。
ここでも「筋紡錘」の作用により、「関節」の可動域を狭めてしまっています。
野球選手に必要なウォーミングアップについて考えるべき時
上記から分かることは、
「ストレッチ」は「筋力」が増し可動範囲が狭くなる、もしくは「筋力」が低下し可動範囲が広くなる
のいづれかになることになります。
これは、スポーツ選手が求めるウォーミングアップの目的を果たしていると言えるでしょうか。
本来の目的を考えれば、
可動範囲も広がり、筋力も上がる状態を作る
必要があるはずです。
しかし、「ストレッチ」では2つを同時に実現することはできません。
「ストレッチ」の方法にもよりますが、ストレッチという方法を見直すタイミングにきているのではないでしょうか。
野球選手が「肩」を故障してしまっては元も子もありません。
できる限り、違和感や故障することがなく、長い間投げ続けることができることが本当の目的だと思います。
「ストレッチ」を始めとして、野球界で行われてることを検証し直す必要があります。
ではどのような「ウォーミングアップ」をすればいいのか、という人は以下の記事をご覧ください。
『あなたのやっているアップに意味がない?! ~投手にとって必要なウォーミングアップとは~』
『ウォーミングアップで怪我をする ~正しいウォーミングアップの在り方~』
『あなたのやり方は大丈夫? ~投手が最大限に力を引き出すウォーミングアップのやり方~』