ピッチャーの走り込みを意味あるものにするために必要なこと
今まで「野球肩革命所」では「走り込みは無意味」、「筋トレは意味がない」といったことをお伝えしてきました。
『野球選手に走り込みはいらない理由まとめ ~あなたは何のために走るのか~』
『筋トレが野球選手に無意味な理由を考えましょう。 ~身体の各部の役割について~』
極端な意見だと思ったでしょうか?
でも実はこの発言にはすべて、「今の野球界が行っている」というものが根底にあります。
つまり、
野球選手の多くは筋トレや走り込みを意味のない形でトレーニングしてしまっている
ということです。
そのため、
筋トレや走り込みを疲れるためだけにやっている
状態になっています。
もっと言えば、故障するために走りこんでしまっている状態です。
注意を喚起するために、極端な言い方になってしまっていましたが、徐々にその真意を解明していきたいと思います。
走り込みを無意味にしてしまっている原因
監督やコーチが最も気にしていることとは何でしょうか。
それは、
誰がどれだけ練習をしているのか
ということです。
つまり練習量を評価基準においているケースが多いということです。
しかし、以下のようなケースに出くわしたことがよくないでしょうか。
AくんとBくんがいます。ランニングの量はBくんの方が圧倒的に多く走っているにもかかわらず、パフォーマンスや結果はAくんの方が上回っている。
これは野球に関わらずどのスポーツにもあるあるの話ですよね。
才能が違うからでしょうか。
ある意味では正解だと思いますが、どのような才能が違うのか分からなければ根拠になっていませんよね。
では、なぜなのでしょうか。
この答えを見つけるためには、走り込みや筋トレを何の目的でやっているのかを知る必要があります。
では、走り込みや筋トレの目的とは何でしょうか。
簡単な話ですよね。
それは
野球技術の向上
です。
野球選手としてうまくなれば、他の能力は必要ありません。
走り込みが本当に上達するのであれば、やるべきですし、そうでないなら辞めるべきです。
現実問題、差が生まれており、どうやら走り込みがきっかけで上達するような選手が少ない所をみると、大半の選手には当てはまらないようです。
それにも関わらず「根性をつける」といった意味不明な理由で走り込みを強要してしまっています。
その結果、「走り込み」が野球にとって本当に必要な形のトレーニングであるのかという検証がなされません。
つまり、
先ほどのケースのAくんは、感覚的に意味のある走り方をしていたか、意味がないと感じてさぼっていて他の練習を強化していたから
Bくんよりも好パフォーマンスができたと言えます。
投手としての身体の使い方を習得できるなら走り込みである必要はない
では、次に野球選手全般というよりは投手にフォーカスして考えてみましょう。
投手として走り込みに求めていることとは何でしょうか。
これも簡単ですよね。
投手として試合で活躍すること以外にあり得ません。
では、試合で活躍するような投手の特徴とはなんでしょうか。
これはきまって
投手として活躍できるような身体の使い方ができている選手
です。
その身体の使い方とは
地面から入ってきた力を下半身で増幅し、効率的に(エネルギーをロスすることなく)上半身に伝えることができるような体の使い方
のことを意味しています。
以上のことを考えれば、
投手としての身体の使い方を習得できるのであれば、トレーニングの形は何でもいい
ということになります。
つまり「走り込み」でなくとも他のトレーニングで代替できればいいわけです。
全てのトレーニングは野球選手として活躍するために行うもので、不必要なものを手に入れる必要はありません。
走り込みで習得しやすい人は走り込めばいいし、もっと効率的な方法があるのであれば、走り込む必要なんてありません。
こんなことを感覚的につかむ選手が活躍していると考えると、ある意味では才能と言えるのかもしれません。
ただし、そんなことは努力と正しい勉強でなんとでも覆せます。
走り込みを意味あるものにするためには
ちなみに、野球選手にとって意味のある走り込みにする方法もあります。
それは、
地面に足の裏が設置し、体重が地面に対して直角に乗った時、重心位置や体重が、踵(かかと)のやや前にかかるように走ること
です。
これは、上半身に力がロスすることなく伝達するために大切なことです。
地面からの力を受けるためのまず一番はじめで最も大切なポイントを感覚的につかむために大切なことです。
少しわかりにくいと思うので図解してみましょう。
下記の図のタイミングに
下記の画像に記した矢印の方向に力を受けることができるかです。
これは側から見ていて分かることではありません。
あくまで本人の感覚における話です。
この感覚をつかむことができて、定期的にチェックをするのであれば、何十分も走る必要なんてありません。
歩きながら感じられるのであれば、それでOKです。
ただ何も考えなしに走り込むのであれば、すぐに辞めましょう。
故障するのがオチです。
現状の野球界では、ここに記した内容のような人間の「身体」、野球界では考えられない「常識」に関する知識を勉強できる場所がありません。
そこで「野球肩革命所」では「野球肩革命チームトレーナープロジェクト」を立ち上げることにしました。
「野球肩革命チームトレーナーPJ」では、社会人野球まで経験した「柔道整復師」の資格も持つトレーナーが、「出張治療」として身体の改善を行いながら、「怪我」・「故障」のリスクを下げる身体作り、さらには技術が向上する身体の使い方の指導までを「チーム単位」にて行っています。
一人では高額な「トレーナー」を雇うことが困難でも、「チーム単位」で行えば一人当たりは低料金で取り入れることができます。
本気でプロを目指し、本気でサポートしていきたいと考えるのであれば、早くからやればやるほど効果的です。
これからの野球選手は、身体の知識を持って、「疲労の回復」と「故障しない身体創り」を行えば自然と上達していきます。