肩がひっかかる・ぬけるという違和感は野球肩のはじまり
野球選手、なかでも投手は特に、「肩がひっかかる」、「肩がぬけそうに感じる」と訴える選手がよくいます。
その際に「痛み」が伴えば、周囲の人間も、本人も分かりやすいのですが、「ひっかかる」、「ぬける」という感覚だと、ただただ心配になってしまいます。
一言で言えば、
肩の違和感への不安
ということでしょう。
そんな「肩の違和感」に悩まされている選手がいれば、自分の感覚を信じるようにしてください。
なぜなら
肩がひっかかる・ぬけるという違和感は野球肩のはじまり
だからです。
肩の関節内部を内視鏡で覗いてみると、「筋肉」や「骨」など、その大半の組織の表面は「つるつる」しています。
それらの組織のおかげで、多少の摩擦があったとしても、簡単に炎症を起こすことはありません。
とはいえ、投球のような過度な肩関節の使用があると、摩擦によって炎症の一歩手前のような状態になります。
しかし、身体の機能は優秀なので、摩擦部分を修復しようとします。
つまり、「回復」させようとします。
「摩擦」と「回復」を繰り返しながら、人間は生活をしているわけですが、いつも「回復」が間に合うわけではありません。
異常なまでの消耗や、「回復」を遅延させる行為などが相まって、いつしか「摩擦」に対して「回復」がおいつかなくなってしまう時がきます。
するとその末路は、摩擦部分に「炎症」が発生し、「野球肩」へと発展していきます。
そんな中で、
肩が「ひっかかる」、「ぬける」という感覚を感じている時はまさに「回復」が間に合っていない
という証拠です。
野球肩を防ぐ意味でも、パフォーマンスを向上させる意味でも、この段階で「フォームチェック」や「下半身の疲労具合」を確認し調整する必要があります(『野球肩への対策はパフォーマンスを高める! ~「肩関節」のケアには「下半身」を緩めること~』)。
コンディショニングレベルを上げ、同時ににフォームチェックをしながら、「ひっかかる」、「ぬける」といった感覚がなくなる状態を作り上げる必要があります。