野球肩治療の最大の目的は痛みを取り除くことではない
投球動作とは様々な関節や筋肉、神経などの複合運動です。
仮に、肩関節だけの問題であれば、肩関節のポジショニングをキープしながら動かせば痛みはかなり軽減されます。
しかし、肩甲帯(けんこうたい)の伸展が同時に伴っていたら、清浄な可動域がキープされていたとしても痛みがでることがほとんどです。
そして、この肩甲帯の伸展によって痛みが発生していた場合、いくら肩関節の可動域が獲得できてたとしても、30mほどのキャッチボールでさえかなりの痛みを伴うでしょう。
簡単に言えば、
単純に肩の関節の可動範囲が正常値に戻ったとしても、その他の動きが今まで通りだったり、疲労などにより適切に動いていなければ野球肩が再発するのは当たり前
です。
反対に肩関節の可動域から判断すると痛みが出て当然だ・・・という選手が全く平気な顔をして投球している選手もたくさんいます。
そんな選手は自ら野球肩として申告してくる人がいないため判明することはありませんが、「痛み」と「可動域」に明確な根拠はありません。
ある一定の可動域になると痛みが出る人が多い・・・という経験則でしかありません。
そして何度も言いますが、痛みを取り除くことが野球肩の治療の最大の目的ではありません。