「肩関節」の「コリ」や「ハリ」をとっても野球肩への根本的な解決にはならない
さらに野球選手の「肩関節」においてはさらなる誤解が存在しています。
先ほど触れた通り、「肩関節」は「上腕骨側」に「中心軸」が存在しています。
厳密に言えば、「上腕骨頭」に存在しています。
「肩関節」は安定性を、周囲に存在する「靭帯」や「関節包」、「筋肉」などに依存しています。
そのため、そもそも肩関節は「不安定」な状態なので、高い割合でずれます。
しかし、ずれてしまうことが悪いことではなく、肩関節の「不安定さ」が他の関節とは比べることもできないほどの可動域を実現し、投球作業を実現しています。
ではそんな「不安定」な「肩関節」を可能な限り安定させるために周囲の組織は何をしているのかというと、必要以上に働こうとがんばります。
どんな風にたくさん頑張るのかというと、硬くなって安定させようとします。
その結果が「ハリ」や「コリ」になっています。
通常は嫌がらる存在である「ハリ」や「コリ」も大切な役割をしています。
しかし、この「ハリ」や「コリ」が蓄積されてくると、不調に陥ることはわかりやすいと思います。
ただ気づいて欲しいことは、
一般的に嫌がられる「ハリ」や「コリ」も野球選手の「肩関節」には必要な働きであること
です。
肩関節を守るためには「ハリ」や「コリ」の存在も必要不可欠な存在です。
すると、あることにお気づきにならないでしょうか。
そうです。
普段マッサージやストレッチで「ハリ」や「コリ」を取り除いていることに大した意味がない
ということです。
「ハリ」や「コリ」はあくまでシグナルであって、それらの「ハリ」や「コリ」を生み出している原因を取り除かなくては根本的な解決になりません。
その根本的な原因とは、
肩関節の中心軸をずらしてしまうような投球動作
です。
つまり、肩関節に対して何らかのアプローチをしない限り、「ハリ」や「コリ」はとれません。