野球肩対策の新常識~ミドルペインショルダーとは
野球選手である限り、肩関節を酷使しないわけにはいきません。
肩関節を酷使しなければ練習することができません。
とはいえ、野球肩に一度なってしまうと、野球人生の終焉を意味していると考えても大げさではありません(『野球肩は治らない~あなたはそれだけの覚悟をもって対策していますか?~』)。
となると、肩関節が野球肩になってしまう一歩手前で未然に防いでいくしか野球選手としての生きる道はありません。
ある意味では野球肩になる可能性が常にあるから野球選手であるという見方もできるでしょう。
では、野球肩を本気で防ぎながら、なおかつパフォーマンスを最大限に伸ばしていくトレーニングをしていく上で大切な考え方をお伝えしていきます。
その大切な考え方とは
ミドルペインショルダー
という考え方です。
ちなみに、この「ミドルペインショルダー」はどこを調べても出てくることはありません。
「野球肩革命所」が独自に定義づけしている言葉です。
ミドルペインショルダーとは、
投球時に肩関節に「違和感」、「張り」、「不安定感」があるものの「痛み」をともなわず、今後痛みが伴う可能性が高い状態
です。
簡単に言えば、「ミドルペインショルダー」は野球肩になる一歩前の段階です。
「ミドルペインショルダー」は中くらいの痛みということではなく、痛みのでる一歩手前のことです。
「痛みはないが痛くなりそう」、「違和感があるけど痛くはない」、「張りが強いけど痛みではない」という状態を考えてもらえれば、ミドルペインショルダーの概念を分かりやすくしてくれるでしょう。
かなり感覚的な所が大きいと感じられたかもしれませんが、その感覚に委ねている所がまさに正しいと考えています。
関節可動範囲の広狭や、筋力の大小では野球肩を正確に把握することは困難です。
一人一人身体の構造は微妙に違うため、一括りで野球肩を定義することはできません。
そんな目に見える部分にばかり目を向けているため、本人自身も肩関節が「痛み」なのか「張り」、「コリ」なのかの区別さえつかなくなっています(『野球肩|肩の違和感が「ハリ」なのか「痛み」なのか分からな人へ』)。