野球肩とは何なのか
突然ですが質問です。
野球肩って知っていますか?
何を当たり前のことを・・・と思われたかもしれません。
しかし、この質問に明確に答えられる人はいません。
なぜなら、野球肩には明確な定義はありません。
様々な肩関節における野球選手の障害(故障)を総称して呼んでいるだけに過ぎません(『野球肩とは肩関節の障害のことです ~野球選手の故障の9割は障害』)。
つまり、
野球肩を治したいんですがどうすればいいのでしょうか
という質問には答えようがなかったりします。
これは「野球肩革命所」にも多い問合せの内容なのですが、あくまで肩関節の障害を一まとめにして呼んでいるだけなので、具体的な状態を見ないことには何も言いようがありません。
また、「肩が痛い」と選手が言っていたしても、原因が「肩関節」にあるとは限りません。
むしろ、根本的な原因の大半は「肩関節」以外にあることの方が一般的です(『野球肩を本気で防ぎたいなら上半身を見ていては意味がない』)。
さらにひどい現状としては、診断名もかなり曖昧なものなのでどこまで信用していいものか言い切ることはできません(『野球肩が治らないのは誤診が多いから』)。
ところで野球肩はいつから言われ始めたか知っているでしょうか。
私が小学生の頃であった約30年前には「野球肘」はよく聞きましたが、「野球肩」はあまり聞きませんでした。
野球肩をあえて定義付けるとすると
関節可動域に関わらず、投球時に痛みが発生した場合の肩関節の状態のことを言い、組織損傷の有無は問わない
と言えます。
簡単に言えば、「投げると痛い」ものはすべて野球肩ということです。
この定義から言えば、医療機関で野球肩と診断されても痛くないケースや、痛いのに医療機関では野球肩と判断されないケースがでてきます。
と、少し小難しい話をしてきましたが、野球選手にとって野球肩で考えなければいけないことはシンプルです。
野球選手にとって野球肩において重要なこととは、
仮に野球肩と診断されようが、痛みも伴わず、その後の野球人生に影響を及ぼさないものであれば問題ない
ということではないでしょうか。
反対に、医療機関で野球肩の認定を受けなかったとしても、「痛み」が伴っていたり、「違和感」があるのであれば野球選手にとっては大問題です。
とはいえ「肩関節」に「痛み」や「違和感」がなく、通常のプレーが行え、その後大事に至らなければ問題ありません。
そのためには大事に至る前に野球肩を未然に防ぐ身体のケアや身体の使い方を学んでおく必要があります(『野球肩を未然に防ぐための肩関節のチェック方法』)。
そして、仮に野球肩を発症したとしても早期に発見し対策を行うことが重要です。
本日の記事は、野球肩の早期発見や未然防止につながる大切なお話をしたいと思います。