投手の肩は消耗品ではない
次に、冒頭でも少し触れましたが、とても大切な概念を持ってください。
それは、
投手の肩は消耗品ではないという考え方
です。
投手が、コントロールの技術を磨く、変化球のキレを磨く、ストレートのスピードアップをはかる最高の方法は「投げること」です。
技術は投球しないと身につきません。
そのため極力投げる機会を増やすことが上手くなる最大の近道です。
しかし「肩は消耗品」という考え方のもとでは、投球制限をむやみにかけてしまうことになります。
すると、野球の上達にはつながらず、肩をいくら大切にしても上達しなければ野球選手としては意味がありません。
とはいえ、とにかく肩を休めていれば野球肩にならないわけではありません。
野球界は野球肩に対する根本的な考え方を誤っています。
それは、
肩は消耗品なのではなく、消耗するような投げ方をしているから消耗しているだけで、メンテナンスとケアを怠らなければ、決して消耗品にはならない
ということです。
投げると必ず疲労しますが、その疲労をできるだけその日のうちに取り除くようにすればまったく問題ありません。
具体的な方法としては
・湯船に浸かってじんわり温める
・交感神経を緊張させない
・睡眠をとる
・マッサージをする
・関節の状態を整える
などなどがあります。
そんな中でも最も効果的な方法は、
肩関節のインナーマッスルの回復を促進すること
です。
またインナーマッスルの中でも肩甲骨の表面についている「棘下(キョクカ)筋」と言われる筋肉をケアしましょう。
棘下筋が疲労により機能しなくなると、付着部に炎症や損傷が起こります。
その正体が野球肩で、付着部で損傷を起こさせないためにも棘下筋の機能をできる限り落とさないケアが大切です。