投球する時に最も大切な筋肉のハナシ ~野球肩の原因を探る

投球する時に最も大切な筋肉のハナシ

主に投手の方に対して聞きたいことがあります。

それは、

投球する時に最も大切な筋肉はどこですか?

という質問です。

この質問には一つ問題があって、「どういう意味で」という部分が欠落しているので答えようがないかもしれません。

しかし、それより問題なのは、

そもそも投球する時に使っている筋肉のことも知らない

という現状があることです。

そんな現状が如何に危険なのか、私が約23年間経験してきた野球人生と照らし合せながらお伝えしたいと思います。

日本の野球界では身体の知識を学ぶことはできない

私は23年間の野球生活を経験してきた中で、様々な出来事がありました。

そのなかでも最も衝撃的な出来事というと「肩痛」でした。

いわゆる「野球肩」というやつです。

幸運にも「社会人野球」の球団に入団することができて、3年後のドラフト解禁を目標に中国地区でもそこそこの成績を残している「三菱自動車水島」でプレーすることができるようになりました。

しかし、入社1年目の「都市対抗予選」前になんと「肘痛」が発生しました(『野球肩と野球肘を別物で考えるから治らない』)。

そしてなんと、「半年間のノースロー」を医師から告げられました。

もはや1年目が終了です。

2年目に入り、投球を再開することができたのですがまだまだ悪夢は終わりません。

なんとすぐに続けざまに「肩痛」が発生したのです。

さらに悪いことに「肘痛」からの復帰したばかりだったため、「肩の痛み」なんて打ち明けることができなかったので、そのまま投げ続けました。

「テーピング」をしながらの投球だったので、思ったような投球ができるはずもありません。

最終的には、140km/h後半だったストレートが125km/hほどの球速しか出なくなり、再びノースローに突入です。

そこからはノースローをしては、復帰し、また再発してノースローの繰り返しです。

結局4年目に「手術」に踏み切ったものの大きな改善は見込めず、8年間プレーした後、社会人野球生活を終えることになりました。

さて、私の経験から最もダメな部分は何だったのでしょうか。

色々あるのは言うまでもありませんが、

最大のポイントは、身体が資本の野球選手なのに自分の身体の知識を知らなすぎること

です。

野球選手引退後は、自分と同じような立場の人間を減らすことができるようになりたいと願い、「柔道整復師」の国家資格を取得し、人間の身体の勉強をしてきました。

それらも踏まえた上で、

野球界には身体のことを勉強できる機会が少なすぎます。

何もこれは故障のリスクを下げるためだけに言っているわけではありません。

自分の身体を知ることは、パフォーマンスを向上させることに直結しています。

故障のリスクを下げることは、効率的な力の使い方を知ることに他ならないため、自然とトレーニング内容に変化が生まれ、パフォーマンスも向上していきます。

野球肩の原因の9割は棘下筋が影響している

では本題に戻って、野球選手が「投球」する時に最も大切な筋肉とはどこでしょうか。

それは、

棘下筋

です。

ご存知でしたか?

そもそも読めたでしょうか。

「きょっかきん」と読みます。

私の野球人生と治療家人生から、投手の最も大切な筋肉は「棘下筋」だということに行き着きました(『お父さん・お母さんにしか子どもの肩は守れない ~野球肩の原因を知る~』)。

この「棘下筋」がなんらかの「不調」に陥ることによって「肩関節」の「バランス」が崩れ、致命的な怪我に陥ることが多いという結論です。

さらにここでポイントであることは、

野球肩になったからといって「棘下筋」が痛いわけではない

ということです。

この意味が分かるでしょうか?

人間の身体に「痛み」がでるには原因が必ずあります。

しかし、その「痛み」が出た部分に必ずしも原因があるとは限りません。

というよりむしろ原因が「痛み」の部分にある方が少ないでしょう。

最もストレスのかかりやすい部分に「痛み」となって表れているにすぎません。

人間の身体は常に連動して一つの「動作」を創り上げています。

その一つのポイントに不具合がでれば、その不具合がどこかに対してストレスを与える原因になります。

そしてそれが「野球肩」の場合、多くの原因が「棘下筋」が原因となって発生しているという事実があります。

これは「野球肩」で来院された選手を「棘下筋」に対して施術することで改善していった経験からも言えることです。

野球肩の原因を肩の周囲だけで終わらせることはできない

さらにこれは、「肩」の部分だけに着目していたら言い訳ではないことも意味しています。

投球の時は、「下半身」からの力を「上半身」に伝え、その後に「肩関節」を経由し、最終的に「ボール」へとエネルギーを伝えています(『野球肩への対策はパフォーマンスを高める! ~「肩関節」のケアには「下半身」を緩めること~』)。

そのため「下半身」の「筋肉」も大切な筋肉の一つであることは間違いありません。

しかし、致命的な怪我へと発展する最後の関門は「肩関節の痛み」です。

この「関節」に痛みが発生するメカニズムのなかでは、やはり「棘下筋」の不調が最も致命的になりうる症状を生み出す要因となっています。

最終的には「棘下筋」がアンバランスになることによって、ただでさえ不安定な「肩関節」が不安定さを増し、「インピンジメント症候群」や「関節唇損傷・断裂」、「腱板損傷」等といった病理的変化を発生させています。

本日の記事は少し難し内容だったのかもしれませんが、「投手」であれば絶対知っておいて欲しい内容です(『野球肩が治らない人は必読~対処法・予防法まとめ~』)。

今や、野球界には停滞ムードが流れていますが、これからの野球選手は「身体の知識を持つこと」と「身体の回復を促すこと」で大きく飛躍する可能性を秘めていいます。

良い意味でも悪い意味でも長い歴史を持つ「野球」なので、周囲のスポーツから取り残されて行ってしまっています。

しかし、これはある意味チャンスで、周りのスポーツを見ればヒントがゴロゴロ転がっているという事に他なりません。

冷静に野球を上達するための方法を追求することをおススメします。


現状の野球界では、ここに記した内容のような人間の「身体」、野球界では考えられない「常識」に関する知識を勉強できる場所がありません。

そこで「野球肩革命所」では「野球肩革命チームトレーナープロジェクト」を立ち上げることにしました。

「野球肩革命チームトレーナーPJ」では、社会人野球まで経験した「柔道整復師」の資格も持つトレーナーが、「出張治療」として身体の改善を行いながら、「怪我」・「故障」のリスクを下げる身体作り、さらには技術が向上する身体の使い方の指導までを「チーム単位」にて行っています。

一人では高額な「トレーナー」を雇うことが困難でも、「チーム単位」で行えば一人当たりは低料金で取り入れることができます。

本気でプロを目指し、本気でサポートしていきたいと考えるのであれば、早くからやればやるほど効果的です。

これからの野球選手は、身体の知識を持って、「疲労の回復」と「故障しない身体創り」を行えば自然と上達していきます。

お申込みはコチラまで(詳細は『野球肩革命チームトレーナープロジェクト』)。

 

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