ある投手がたった2年間で25km/hも球速を上げた筋トレをすることよりも大切な考え方
では、スピードボールを投げるためにはどうすればいいのでしょうか。
今回ご紹介する方法は、社会人野球の選手としてMAX125km/hだった選手が、たった2年間でMAX150km/hまで球速を伸ばした事例です。
彼は20歳を超えていたので、最も成長する時期ではない中での球速アップに成功しました。
しかも、その方法は筋トレやフォームを改造したわけでもありません。
この投手は、
ある特定の部位の活動を適切に動くようにしただけで球速を上げることに成功
しています。
その特定の部位とは、スピードボールを投げる投手ほど活発に動いている場所で、それは科学的に筋電図によっても証明されています。
とくに投球時のアクセレレーション期という、腕を加速させる時期に筋活動が最も高まるエリアです。
それは、
・右胸の前面〜肩関節前面
・左腰部後方
・右股関節前方
の3つのエリアです(右投手だったので左投手は反対で考えてください)。
これら3つのエリアの活動が活発な選手ほど、スピードボールを投げられる傾向にあることが分かっています。
そして、今回の事例の選手がスピードを伸ばすことができたポイントがあります。
それは、
上記の3つのエリアを活発化させるのに過度な筋トレを一切行わなかったこと
です。
「活発」とは
「筋肉量が多い」という意味ではなく「筋肉」が効率的に動いているということ
です。
さらに簡単な言葉で言えば
「身体の使い方」を習得した
という意味です。
人間の身体は、一つの筋肉、関節、神経で動いているわけではありません。
あらゆる筋肉や関節、筋肉が連動することで動いています。
一つ一つの筋肉が強かった(筋肉量が多かった)としても、この連動の時にエネルギーをロスしていると最終(インパクト、リリース)のエネルギーは大きくなりません。
そのため、球速をアップさせるために上記の3つのエリアを活発化するためには、基礎的なある考え方が大切になってきます。
それは、
上記3エリアに関わっている「筋肉」、「関節」、「皮膚」、「内臓」、「神経」などの機能について考えること
です。
「内臓」のことまで考えた上でトレーニングしている人はいるでしょうか。
冷静に考えてみれば人間なので、必ず「内臓」が多くの活動に関わっていることは知っていても、目に見えない部分なのでないがしろにしてしまう傾向にないでしょうか。
今回の25km/hアップを実現した選手は、単純な筋力量アップをはかる筋トレではなく、「筋肉」、関節」、「皮膚」、「内臓」といった「身体の使い方」を学んでいくことで球速を各段に上げることができました。
では、この選手が具体的に何をしたのでしょうか。