投手に必要な筋肉の使い方を知る
まずは具体的なトレーニング方法に入る前に、その鍛えることになる「筋肉」の特性を知りましょう。
そもそも「筋肉」の特性も知らずに「筋トレ」をしている現在の状況が異常ですが、野球界には学ぶ環境がないので仕方ないかもしれません。
ぜひ、この機会に「筋肉」の特性を知っておきましょう。
これは投手だけに関わらず、全ての野球選手にとって必要な知識です。
では、「筋肉」の特性を知るうえで、「筋トレ」時と、「動作」時に分けて「筋肉」の動き方を考えてみましょう。
「筋トレ」時の筋肉の動きと、「動作」時の筋肉の動きは全く異なる「筋肉」の使い方をしています。
「動作」は
各筋肉、各関節、各神経、各骨格などが総合的に働き連動しながら最終目的を実現
します。
ポイントは「連動」です。
つまり、一部の「筋肉」が強い(筋肉量が多い)からといってエネルギーの伝達が非効率であったら最終目的のエネルギーは大きくなりません。
ちなみに、野球選手で言う「最終目的」とはインパクトの瞬間やリリースの瞬間のことを意味しています。
それに対して「筋トレ」は、一部の筋肉を肥大化させ、単体でのエネルギー量を増大する行為です。
野球選手に必要なトレーニングは言うまでもなく「動作」におけるエネルギーの最大化です。
とはいえ、「筋肉」の使い方が「筋トレ」と「動作」で異なっていたとしても「筋トレ」で一部の筋肉を鍛えれば「動作」の時のエネルギーが増大しそうな気がします。
しかし、この「筋肉」の使い方が大きな問題を生み出しています。
それは
「筋トレ」をすると「動作」における伝達の効率を低下させる可能性がある
ということです。
これは、重量挙げの選手やボディービルダーの方を考えれば分かりやすいでしょう。
重量挙げの選手やボディービルダーの選手が一流のバッターやピッチャーではな理由が「筋肉」の使い方の違いにあります。
ちなみに、こんな記事を記すと必ず返ってくる反論があります。
それは
俺は筋トレをやりまくってムキムキになったから球速が上がった
という反論です。
こんな反論があった時には必ずこう答えます。
その時にあなたは本当に筋トレだけをやっていたのですか?
と。
「筋トレ」にも様々な種類があるので、「筋肉」や「動作」の特性を理解した上で行っているトレーニングであれば効果的かもしれません。
しかし、俗にいう「筋トレ」では「動作」のパフォーマンスは上がりません。
大半の選手が「筋トレ」によってパフォーマンスが上がったと思っているものは、まったく別のトレーニングによる結果であることが大半です。
むしろ「筋トレ」がそれらの効果的なトレーニングを阻害してしまっていることに気づいていません。
「筋トレ」を辞めたほうがパフォーマンスが上がるような選手はゴロゴロ存在しています。
また、本当の意味で検証をするのであれば、「筋トレ」だけを行って数か月後にボールを投げた時に球速が上がったかを確認しなければ意味がありません。
しかし、そんなことはしなくても結果は何となく分かりませんか?