野球肩が治らない人へ~治療法・予防法・原因まとめ~
「野球肩革命所」では、その名の通り「野球肩」に悩む選手や、「野球肩」になり野球人生を終えてしまうような選手が一人でも減ることを願って創設されました(創設秘話はコチラ)。
なぜ、私がこのようなことを語ることができるのかというと、社会人野球まで経験し、治療家として活動してきた稀有な存在だからです。
そして私自身も「野球肩」が原因で選手生命を終え、通常の医療機関では、「野球肩」を理解している現場がほとんどないことを理解してきました。
そこで「野球肩革命所」で日々、「野球肩」について記してきた内容をここにまとめておきますので、仮に「野球肩」になってお困りの方はご参考にしてください。
もっとも大切なことは、「野球肩」になる前に、この記事にまとめられた「野球肩」に関する知識をもって対策をしておくことです。
記事の順番にお読みいただくことをおススメ致しますが、現在の自分にとって必要だと思う所から読んでも意味が理解できるようになっているので、自分にあったペースでご覧ください。
最後にはすべての記事に目を通して野球肩の対策を完璧なものとしましょう。
野球肩への対処法・予防法まとめ
野球肩って何なのか
1.野球肩は治らない あなたはそれだけの覚悟をもって対策していますか?
2.野球を今すぐ上手くなりたきゃ体を休めて脳みそに汗をかけ!
4.あなたの肩は「ハリ」なのか「痛み」なのか分かっていますか?
野球肩対策への誤解
9.野球肩の対策にアイシングは意味をなしてないって知ってた?
10.練習をさぼるススメ ~サボる選手ほど活躍している悲しい野球界~
野球肩に対して必要な知識
11.野球肩になる前に肩関節を勉強せよ!~必用なのは理科レベルの勉強で十分~
13.野球選手が上手くなりたきゃ「内旋」・「外旋」を理解しろ!
15.野球肩の原因は肩にはない?! ~野球肩への適切な対処方法~
16.野球肩の痛みは「痛み」の部分だけ見ていても一生治らない
21.何か変えなければ再発するのは当たり前~「投球再開時期について~
22.野球選手が「肩」の痛みでもっとも注意しなければならないこと
23.たった5秒で「肩」の動きを良くする方法 ~「軟骨」を知れ!~
野球肩って何なのか
1.野球肩は治らない あなたはそれだけの覚悟をもって対策していますか?
はじめに、「野球肩」に対する認識を改める必要があります。皆が、「野球肩」になってから初めて気づくことです。
「野球肩」は本当に治りません。
誤解を恐れずに言いますが、野球肩は完治することがほとんどないでしょう。
たまたま「野球肩」を熟知している治療家に巡り合ったとすれば、完治していくことになると思いますが、その絶対数は極端に少ないのが現実です。
医療機関の判断は、
可動域の数値から判断すれば「治っている」と診断されたとしても、実際の投球を進めれば「痛み」や「違和感」を感じるなんてことは良くあるハナシ
です。
それは、医療関係者が実際の「痛み」を感じたこともなければ、140km/h以上のボールを投げたこともないため、医療関係者には野球肩の本質を理解しきれていないことに原因があります。
この後を読み進めていけば、その原因も理解できると思いますが「野球肩」の「原因」をどう捉えるかによって治るか治らないかのカギが存在します。
それは
「痛み」が出た所が「原因」ではなく、様々な原因のもと「肩関節」に「痛み」が発生したという捉え方
です。
▼詳しくはコチラ▼
野球肩は治らない あなたはそれだけの覚悟をもって対策していますか?
2.野球を今すぐ上手くなりたきゃ体を休めて脳みそに汗をかけ!
「野球肩」に関わらず、野球選手の怪我・故障は「オーバーユース」に原因が多くがあります。
つまりは「使いすぎ」です。
日々から使い過ぎた身体は、本人ですら本来の在り方を忘れてしまっているほどです。
野球選手は、何か自分の欠点や問題があると、「練習量」を増やそうとします。
しかし、これは一番簡単な手段を選んでいるだけで、何も褒められたものではありません。
野球選手は身体が資本です。
そんな選手が自分の身体に関しての知識を学んでいないことは、ブレーキの役割を知らずに自動車の運転をしているようなものです。
そして、身体の知識を学ぶことは、何も怪我・故障を予防するだけでなく、身体の使い方を学ぶことと同じなので、パフォーマンスを高めるトレーニング内容改善にもつながります。
身体に汗かき練習することを否定はしませんが、実は一番楽で危険な選択をしているということに気づいてください。
練習するだけでは野球は上手くなりません。
▼詳しくはコチラ▼
3.野球肩の治療の現実はもはや医療事故
「野球肩」への治療法で医療現場においてできることと言えば「手術」か「ノースロー」の二択です。
それ以外は自然治癒に身を任せるしかありません。
医療現場でとられる選択肢の2つを行えば、確かにその瞬間の肩の「痛み」はとれるかもしれません。
しかし、先ほども述べた通り、「野球肩」が発生している原因は「肩」に問題があるから起きているわけではありません。
「痛み」を取り除くというだけであれば問題ありませんが、野球選手にとっては「痛み」を取り除いた後の方が大切です。
さらに、「手術」にしろ「ノースロー」にしろ、一度「肩」を休めてしまうと、野球選手の「肩」から一般人の「肩」へと近づいていきます。
それを元に戻すだけでもどれだけ大変なことであるか、理解した上で「手術」や「ノースロー」を選択しなければなりません。
医療関係者にはそんなセンシティブな問題は理解できません。
分かりやすいところで言えば、高校生最後の夏に向けた春先に「手術」や「ノースロー」を取り入れると、その選手の人生は大きく変わるでしょう。
▼詳しくはコチラ▼
4.あなたの肩は「ハリ」なのか「痛み」なのか分かっていますか?
野球選手の「野球肩」が治りにくい原因の一つとして、
選手自身が「肩の痛み」を理解していないため治療機関にかかるのが遅れてしまうこと
があります。
つまり、
選手自身が「ハリ」や「コリ」と「痛み」の違いが分からない
ということです。
本人が分からないのに、周囲の人間が分かるはずがありません。
反対に、医療機関の検査では「野球肩」と診断されても、実際の本人は何の「痛み」も感じていないなんてことはザラにあるハナシです。
医療関係者も選手自身も大して分かっていない野球肩が簡単に治るはずがありません。
だから「野球肩」は治りにくく、再発しやすく、防ぎにくいまま放置されています。
まずは判断基準をしっかりもっておきましょう。
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5.野球肩のチェック方法-あなたの肩は大丈夫?
野球選手の「野球肩」が治りにくい大きな要因の一つに、
「自身で痛みなのかが分からない」
というものがあります。
では、どのようにして自分が「野球肩」として、野球選手が注意すべき「痛み」であるか判別すればいいのでしょうか。
まず、床に仰向けに寝転んでください。
その状態のまま、徐々に両腕を耳につけるように上げていきましょう(大半の選手は投球する側の腕が外側に開いていきますが、開いていくことに問題はありません)。
両手が重なった時の、両肩に感じる感覚の違いを比較してください。
この時、大きな範囲でどんよりした感覚を得た場合には、ただの「張り」でしょう。
しかし、「上に持ち上げること自体が嫌な感じがする」、「鋭い痛みが走る」のであれば、それは「痛み」です。
後者のパターンであれば、すぐに治療機関の先生に診てもらってください。
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6.「肩は消耗品」なんてことはありません
野球界では「肩は消耗品」という捉えられ方が一般的です。
そのため、たくさん投球した次の日は休みを入れたり、球数制限などをして肩の使用量を下げようとします。
しかし、いくら野球肩の対策をしたところで、一向に野球かになって野球人生を終える選手が減りません。
そのため「肩は消耗品」という捉え方に対して疑問を抱いても良い頃なのではないでしょうか。
肩は決して消耗品ではありません。
野球肩になってしまうような選手の問題は、
「消耗品」のように「肩」がすり減っていくイメージではなく、「肩」をすり減らすような「投げ方」をしていること
です。
そんな負担のかからないような「投げ方」をし、適切に回復させるような処置をすることで「肩」は「消耗品」ではなくなります。
そのためには、まず「肩は消耗品」という考え方を捨てましょう。
そうすれば、普段行っている対策やケアが不十分もしくは、逆効果になっていることに気づくはずです。
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7.ストレッチが肩関節の可動範囲を狭めている?!
「野球肩」を治療する際に「肩関節可動域」という指標がよく使われます。
簡単に言えば、「肩関節」がどれぐらいの自由な動きをできるのかを数値化したものです。
そしてその「可動域」を広げるものとして、「ストレッチ」が推奨されていますが、実はその「ストレッチ」がその「可動域」を狭めていることが最近の研究で判明してきています。
ストレッチには一般的に「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」と呼ばれるものがあります。
そしてそれらのストレッチがもたらす効果は、
「筋力」が増し「可動範囲」が狭くなる、もしくは「筋力」が低下し「可動範囲」が広くなる
のいづれかしかありません。
しかし、冷静になって考えれば、野球選手に必要なことは、
「筋力」が増し「可動範囲」も広くなること
ではないでしょうか。
さらに言ってしまえば、その「可動範囲」も人並程度に動けば野球選手にとっては問題ありません。
投手としてパフォーマンスを高めること、「野球肩」の防止のために「肩関節」ばかり見ていては解決にはならないのです。
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8.肩周りが柔らかいから大丈夫・・・が野球肩に最も危険
先ほどの「可動域」に関する話と同様で、「肩周りが柔らかいから大丈夫・・・」という考え方は投手にとって危険な考え方です。
「柔らかいこと」と「野球肩のリスクの低下」は科学的に実証されているものではなく、皆がそのようなイメージを持っているという程度の根拠しかありません。
あくまで
「野球肩」として「痛み」が発症する部分が「肩」なのであって、その原因は「肩」だけにあるわけではない
ということです。
もしあなたが、野球肩の対策に肩回りが柔らかいから大丈夫だと思っているようなら、あなたは「野球肩予備軍」としか言えません。
まだ「肩関節」だけにフォーカスして捉えるのであれば、「可動域」や「柔軟性」ではなく、「関節」の「ポジショニング」を大切にしましょう。
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9.野球肩の対策にアイシングは意味をなしてないって知ってた?
「野球肩」や「肩の疲労」に対しての対策として、必ずと言っていいほど行っているのが「アイシング」ではないでしょうか。
しかし、そんな「アイシング」が「野球肩」に対して意味をなしていないことが、最近の研究で判明してきています。
むしろ意味をなしていないどころか、負の効果を与えている研究結果すらでてきています。
それにも関わらず、野球界では世の中のスポーツ科学とは逆行し、今になって「アイシング」を取り入れようとしています。
プロ野球界で最年長勝利投手の記録を持っている「山本昌」投手も「アイシング」をしないことで有名です。
それでもあなたは「アイシング」を続けますか?
▼詳しくはコチラ▼
10.練習をさぼるススメ ~サボる選手ほど活躍している悲しい野球界~
野球界では、何か失敗や上手くいっていないことがあると「練習量」で埋め合わせようとします。
そして、指導者も分からない部分をすべて「練習量」で埋め合わせようとします。
しかし、この選択は最も楽な方法を選択しているだけで、結果がでなければ「練習量が足りないから」という無限のループに陥ることになります。
その結果は・・・疲労が蓄積し、パフォーマンスが低下し、怪我・故障のリスクを高めているに過ぎません。
野球界はいち早くこの事実に気づくべきです。
こういった発言をすると「一生懸命やっている人に失礼だ」という意見が必ずでてきますが、最終的に結果がでない方法を押し付けているのであれば、それは一番の失礼だと思うのは私だけでしょうか。
決して、「練習する人を否定」しているわけではなく、「もっと上手くなるためにサボろう」という提案をしているに過ぎません。
もちろん自分にその方法が当てはまらなければ、ひたすら練習をする毎日を行うべきです。
しかし、一般的にはサボっていると言われる選手達が結果を残しているのを見れば「練習量」に答えがないことは見えてくるはずです。
そしてその人たちは才能だけで活躍しているわけではないことが分かるはずです。
ポイント、ポイントでは必ず努力しているところが存在しています。
▼詳しくはコチラ▼
練習をさぼるススメ ~サボる選手ほど活躍している悲しい野球界~
11.野球肩になる前に肩関節を勉強せよ!~必用なのは理科レベルの勉強で十分~
野球選手の多くが勉強嫌いであることは理解しています。
各いう私も学生時代にはほとんど勉強をしていませんでした。
しかし、その勉強で野球が上手くなると聞いたらあなたはどうしますか?
逆に言えば、
「体を資本としている野球選手」が自分の身体について学んでいないという状況がおかしい
と思いませんか?
問題は現役の選手だけにあるわけではなく、指導者も含めて「身体の知識」をもっていない人が大半なため、現状はしかたがないのかもしれません。
しかし、野球選手が自分の身体については知らないことは、自動車の運転でいうところの、「ブレーキ」の役割を知らずに運転しているようなものです。
また、「身体の知識」を学ぶことは、怪我・故障のリスクを低下するだけではなく、野球選手としてのパフォーマンスを向上させることにもつながります。
自分の身体の使い方を知れば、自ずとそのために必要なトレーニングが分かり、人と同じことをやっていては意味がないことが分かってくるはずです。
今のままトレーニングを続けるのは、ただただギャンブルをやっているのと変わりません。
そして、学ぶべき知識は、小学生の理科レベルのことを理解していれば、後は自然と知識を吸収していくことができるのです。
今すぐ、勉強を始めてみる気になりませんか?
▼詳しくはコチラ▼
野球肩になる前に肩関節を勉強せよ!~必用なのは理科レベルの勉強で十分~
12.肩関節の構造を知ろう。
肩の関節は「肩甲上腕関節」と呼ばれている関節のことを指していることが多いですが、実際には5つの関節の総称を「肩関節」と呼びます。
その5つとは
・肩甲上腕関節(肩甲骨と上腕骨)・肩甲胸郭関節(肩甲骨と肋骨)・肩鎖関節(肩甲骨と鎖骨)・胸鎖関節(胸骨と鎖骨)・第二肩関節(肩峰と上腕骨上部)
のことを「肩関節」と呼んでいます。
この関節の中で最も傷害が発生しやすい関節は「第二肩関節」です。
「インピンジメント症候群」を引き起こす場所こそが「第二肩関節」です。
ちょうど「肩峰」の下の「上腕骨」との間に、「棘上筋(きょくじょうきん)」と「棘下筋(きょくかきん)」の一部が入り込んでいます。
この2つの「筋肉」たちは、「骨」や「関節」に挟まれ、こすられる状態を繰り返します。
この状態が続くと、「傷」になることもあれば、「出血」してしまうケースもでてきます。
かなりの激痛が襲うようになります。
これがまさに「野球肩」の始まりです。
「棘上筋」や「棘下筋」といった「インナーマッスル」は、血管の分布が少ない特性を持っています。
これはつまり、「怪我をしやすく」、「なかなか治りにくい」という筋肉群であることを意味しています。
野球選手であれば当然のようにここに記されているぐらいの「肩関節」の知識は必要ですよ。
故障や怪我も、病気と同じで早期発見が最も重要なことです。
▼詳しくはコチラ▼
13.野球選手が上手くなりたきゃ「内旋」・「外旋」を理解しろ!
先ほどの「勉強」につながるハナシですが、あなたが「ボール」を投げる時、「肩関節」は「内旋(ないせん)」、「外旋(がいせん)」と呼ばれる「作用」を利用しています。
しかもこれは、「肩」だけではなく、身体全体が「内旋」・「外旋」という動きを駆使し、その複合的な動きの結果として、あなたは普通の人間では考えられないような速さの「ボール」を投げることができています。
これは決して、「内旋」・「外旋」という「作用」を意識して行うものではなく、投球動作時にどんな「作用」が起きているのか理解すれば、その「作用」を無理なく引き起こすような「動作」を発見することにつながります。
そしてそのために必要な「動作」は、人間の身体は一人一人異なることが当然であるため、自分自身で考えるしかないということに考えが行きつくはずです。
ある投手にとって良かったことが、あなたにも当てはまるわけではないことを「内旋」・「外旋」を理解するところから感じ取ってください。
▼詳しくはコチラ▼
14.9割の投手が野球肩予備軍の選手だって知ってた?
野球選手の大半が「野球肩予備軍」です。
「野球肩」を防ぐためには、
その人の体にあった、その人の体を効率的につかった「投球動作」をしながら、適切な「回復処置」をしなければ
防ぐことはできません。
普通の生活をしている人間には考えられないほどの負担を「肩関節」に与えている「野球」という競技を行っているのに、普通の「ストレッチ」や「睡眠」だけで、「疲労」を取り除くことができるはずがありません。
このように少し考えれば分かることにも関わらず、対策といって行っていることが現状であることを考えると、そのまま「投球」を続ければ、必ず「野球肩」になってしまうでしょう。
「今は大丈夫だから」が後々には取り返しのつかないことになる典型が「野球肩」と言えるでしょう。
早いうちに「野球肩」に関する正しい知識を学び、怪我・故障リスクを下げながら、パフォーマンスを向上させることを取り入れていきましょう。
そうすれば、現在がただただ「オーバーユース」であることを理解し、休んだり、サボったりした方がパフォーマンスがよくなった・・・なんてことがザラに起こり得ることに気づくはずです。
▼詳しくはコチラ▼
15.野球肩の原因は肩にはない?! ~野球肩への適切な対処方法~
通常の医療機関などに行って「野球肩」が治らない大きな原因として、
「野球肩」の原因を「肩」だけに求めること
があります。
確かに「痛み」が発症している部分は「肩関節」かもしれません。
しかし、「投球」という「動作」において、機能している部分は「肩関節」だけではありません。
「肩関節」が重要な役割を果たしていることは言うまでもありませんが、様々な複合的な「動作」の結果として「ボール」を投球することができています。
その瞬間の「痛み」を取り除くのであれば、「肩」だけを見れいれば良いのかもしれませんが、本当の意味で「野球肩」を治したいのであれば、もっと他の部分に目を向けなければいけません。
その事実を西洋的な医学では、「問題点を取り除く」という側面だけで切り取るため、根本的な治療にはなりません。
もちろん怪我の種類によっては、外科的な処置が必要なケースもでてくるため、決して否定しているわけではありませんが、選手の立場を考えれば問題は「痛み」を取り除くことではないはずです。
▼詳しくはコチラ▼
16.野球肩の痛みは「痛み」の部分だけ見ていても一生治らない
野球選手は「肩」や「肘」を痛めやすいことで有名です。よく言う「野球肩」や「野球肘」というやつです。
原因は、「上腕骨(腕の骨)」と「肩甲骨」の関係性から痛めることが多いと言われています。
しかし、注意しなくてはいけないのが、これはあくまで結果論であってもっと綿密で様々な関係性から起こっているということです。
「痛み」が発生している箇所ばかりに注意が行っていては治るものも一生治りません。
その結果がどうしようもない状態になり引退(つまり、私のこと)。
現在故障中の方はもちろんのこと、故障の予防のためにも、野球選手にとって最低限必要な身体の知識を身につけましょう。
また、身体のケアやメンテナンスは、何も怪我・故障リスクを高めるためだけに行うのではなく、自分の身体への理解を高め、パフォーマンスを高める上でも重要なことです。
▼詳しくはコチラ▼
17.「野球肩」と「野球肘」をベツモノで考えるから治らない
「野球肩」や「野球肘」とまではいかなくても、野球選手であれば、「肩」や「肘」の痛みを経験する人が大半でしょう。
そんな時によく、「肩」と「肘」を分けて考えることがありますが、この考えは間違いであると理解してください。
どちらかが悪いというものではなく、どちらも関係があって発生している事を理解してください。
つまり、
「肘」が痛ければ「肩」にも原因があり、「肩」が痛ければ「肘」にも原因がある
ということです。
これは、「野球肘」と「野球肩」に置き換えても同様です。
「野球肘」や「野球肩」を治療やケアをする場合には、そういった相対的な捉え方をすることが、早期の解決につながってきます。
そして、もっと広く捉えれば、「肩」や「肘」だけではありません。
基本的に、投球動作そのものが、「アクセレレーション期」に「肩」や「肘」へ多大な「ストレス」をかけます。
この「ストレス」を分散できるのが、「肩」や「肘」以外の体の部分です。
つまり、その他の体の部分で分散できなかったとしたら、それだけ「肩」や「肘」への負担が増大するということです。
中でも「下半身」は一番分散させる力をもっています。耐えうる力をもっているという言い方が正しいかもしれません。
「肩」や「肘」への「ストレス」を「下半身」に分散させ、可能な限り物理的に弱い「上半身」は力の「通路」(伝達させるだけ)に留めたいところです。
▼詳しくはコチラ▼
18.肩関節と股関節の関係を理解しよう。
右投手を仮定して記すので、左投手の場合は逆に置き換えて考えてください。
投手は投球時に足を上げてステップします。
その際に、投球する腕を上げ始めます。
いわゆる「アーリーコッキング期」です。
その後、足をついた時に「左股関節」は「外旋筋」が働き内旋していきます。
ここから「アクセレレーション期」に入り、「右肩関節」は緊張することなく「外旋」方向に捻られます。
そしてある一定の限度を越えると、「右肩関節」は「内旋筋群」が働き「外旋」されていきます。
この時もまだ「左股関節」は「外旋筋群」が働きながら「内旋」しています。
その後、「右肩関節」が「外旋」によって捻られる力より「内旋筋群」の「反射」の力が上回った状態になった時、「右肩関節」は「内旋」方向に加速し始めます。
そして「左股関節」が「外旋筋群」の緊張が高まりながら「内旋」しきった時に、リリースの瞬間が訪れボールを投げることができています。
「内旋」・「外旋」が分からない方はコチラの記事を確認してください(『【野球肩の対策】野球選手が上手くなりたきゃ「内旋」・「外旋」を理解しろ!』)。
少し難しい話になってしまいましたが、何が言いたいかというと
「右肩関節」と「左股関節」は同じように「内旋」することでボールを投げることができている
ということです。
つまり、
「股関節」で力を分散してしまわないように「肩関節」と力の伝達をできるだけ長くできるか
ということが「肩関節」への負担を減らし、それと同時に「ボール」に伝える力を増大させます。
「投げる」というほんの一瞬の出来ごとの中で、「股関節」と「肩関節」の間では壮大な「力のやりとり」が繰り広げられています。
この「力のやりとり」を感じながら練習するのとしないのとでは雲泥の差です。
「外旋筋群」が働いているにもかかわらず、「関節」は「内旋」しているというのは矛盾しているように感じるかもしれませんが人間の動作ではよくある話です。
しかし、「トレーニング」や「練習」では真逆を意識して行っていることが大半です。
▼詳しくはコチラ▼
19.「肩関節」のケアには「下半身」を緩めること
投手にとって「肩関節」が大切であることは言うまでもありません。
そんな「肩関節」は、寝ただけでは完全に回復することはありません。
そして、投手は人間の生活では考えられないような「肩関節」の使い方をしているので、疲労は蓄積され続けています。
そのため、投手は「肩関節」を緩めるような「ケア」や「メンテナンス」を行う必要があります。
そのために最も重要なポイントになってくるのが
下半身
ということをご存じでしょうか。
下半身は、一番最初にエネルギーを受けてそれを上半身に伝えていく、投球動作において最も重要なポイントです。
そんな下半身の筋肉が緩んでいる状態でないと、「肩関節」への負担が増します。
つまり、「肩関節」を疲労させないためには、下半身が疲労しないような使い方をする必要があります。
そして「下半身が疲れにくい」ということは、「効率的に力を伝えること」と同じです。
ということは、「下半身を適切に使うこと」が「肩関節」の「ケア」や「メンテナンス」にとって最大のポイントになるということです。
▼詳しくはコチラ▼
20.「肩関節」は「不安定」だからこそ「凄い」
肩関節」とはいうのは、非常に「不安定な関節」です。
しかし、その「不安定さ」こそが、「肩関節」の「凄さ」を実現しています。
「不安定」を「凄い」と解釈することはあまりないような気がします。
「肩関節」は「多軸関節」と言われるほど様々な動きを実現しています。
その自由な動きは、不安定な関節構造をしていることで実現しています。
反対に、その「不安定な構造」を酷使する野球選手の「投球という動作」は、「肩関節」のお陰で実現していると同時に無理をさせやすいために故障・怪我のリスクを高めることになっています。
この「肩関節の不安定さ」を知った上で、野球選手にとって重要なことと言えば、
「肩関節」の自由度は残しておきながら可能な限り安定させること
です。
と言った話をすると、真っ先に「チューブトレーニング」のような「トレーニング」や「筋トレ」を思い浮かべるかとは思いますが、間違っても行わないでください。
これは全くのデタラメです。
「トレーニング」や「筋トレ」によって安定させると、自由度を損なうことになり、パフォーマンスを低下させ、別の部分への負荷が増すだけです。
では、どのようにすればいいのでしょうか。
それは、
安定するような軸を形成するために、ポジションをしっかりと取ること
です。
安定性とは、全く力が抜けた状態でも実現できます。
故障もせずにパフォーマンスを高めるには、肩周りの筋肉ばかりに頼るのではなく、もっと根本的なところから改善しましょう。
肩関節を安定させるために存在する「インナーマッスル」や「関節周囲の軟部組織」は、本来の働きというのがあります。
「チューブトレーニング」や「筋トレ」とは、その本来の働きを奪う行為です。
「肩関節」が生まれた時から不安定であるという意味をよく考えてみましょう。
そうすれば「チューブトレーニング」や「筋トレ」などは自然と必要ないことが理解できると思います。
▼詳しくはコチラ▼
21.何か変えなければ再発するのは当たり前~「投球再開時期について~
野球肩になって、整形外科などで治療を行っている場合、投球が可能かどうかを判断するのに、肩関節の可動域を調べます。
しかし、肩の関節の可動域が投球動作に対応するだけの状態になっているため、投球開始するということはナンセンスです。
理由を言わなくても、実際「野球肩」を発生した人であれば、既にわかっていると思います。
つまり、ほとんど再発してしまうということです。
問題は、痛みが出ている部分を取り除くことで解決するわけではありません。
投球動作とは様々な関節の複合運動です。
そのため、単純に肩の関節の可動範囲だけがよければいいというものではありません。
肩の関節だけの問題であれば、肩関節のポジショニングをしっかりキープしながら動かせば痛みはかなり軽減します。
しかし、肩甲帯の伸展が同時に伴っていたら、しっかりとした可動域がキープされていたとしても痛みがでることがほとんどです。
そして、この肩甲帯の伸展によって痛みが発生していた場合、いくら肩関節の可動域が獲得できてたとしても、30mほどのキャッチボールでさえかなりの痛みを伴うでしょう。
整形外科的な検査法では、関節単体での可動域や、筋肉単体での筋力測定はできたとしても、複合的な運動をした際の測定というのは困難です。
しかし、野球選手の動きは複合的な動きばかりなのに、測定できないのでは意味がないと思いませんか?
スポーツ選手の傷害におけるケアや治療は、もっと深い動きの部分までみていかなくては改善方向へ向かうことは難しいでしょう。
野球選手の肩関節はその最たる例です。
野球選手の中でも、投手というのはナーバスな選手が多いポジションです。
痛みの感じ方というのは人それぞれで、人によって痛い痛くないは分かれます。
しかし、投手の痛みの感じ方においては、非常に繊細で細かいところまで感じるため、可動範囲を一つの指標とするならば、野手に比べて1割ないし2割は可動範囲を広げるぐらいの配慮が必要です。
そのため投手、付け加えれば外野手は、全力投球時に痛みを伴わない状態での復帰が望ましいと思います。
やや痛みがあるようだと、全力投球を繰り返していくとまた再発する可能性が高まるからです。
▼詳しくはコチラ▼
何か変えなければ再発するのは当たり前~「投球再開時期について~
22.野球選手が「肩」の痛みでもっとも注意しなければならないこと
現在の野球界の状況を考えれば、「怪我・故障をしないこと」、「日々の疲労を取り除くこと」を意識しておけば上達すると言い切れるほど、身体への知識が乏しすぎます。
そのため、日々、身体の「ケア」から「メンテナンス」に関わる情報、そこからパフォーマンスの向上につながっていくような情報をお伝えしています。
中でも、「肩の痛みの場所」や、「肩の痛む投球時のタイミング」、「日常の痛み」などに関する質問が多数寄せられており、一つ一つお答えしたいのですが、膨大なためにお応えできない状況にあります。
そこで本日は、そんな「野球肩」に関して、目安として考えられる「痛み」について「記事」という形でお答えしたいと思います。
「どんな時に、どのような痛みで、どこが痛いか」によって、「どれくらいの間のノースローが必要なのか」などの目安にしていただければと思います。
ここで記した痛みに該当する方は、痛みは長引くことを覚悟してください。
反対にそれ以外の痛みに関しては治療の仕方によって、早期治癒も見込めると思いますのですぐに相談するようにしてください。
それではまず、「肩関節」の痛みが出る場所についてです。
・中の方が痛い
・肩の横の固いところの下側が痛い
といった感じ方をする選手は注意が必要です。
次に、投球時の痛むタイミングとしては、
・しなった時に痛い
・リリースした時に痛い
という反応をしているのであれば、こちらも要注意だと言えます。
さらに、日常生活において
・歯を磨く時に痛い
・頭を洗う時に痛い
・やや遠くのものを腕を伸ばして取る時に痛い
となった場合には、完全に重症です。上記に該当する選手は直ちにノースローですね。
完全に「野球肩」です。
しっかりと治療に通っても、日常の痛みは緩和されてきますが、ボールを投げた時の痛みは軽減しません。
そのため私は重症と見ています。
一生付き合っていかなければならないぐらいの覚悟が必要です。
▼詳しくはコチラ▼
23.たった5秒で「肩」の動きを良くする方法 ~「軟骨」を知れ!~
「肩関節」とは「肩甲骨」と「上腕骨」によって形成されている「関節」です。
そして「軟骨」とは、そのつなぎ目に存在し、「スポンジ」状の滑りのよい組織で潤滑剤の役割をはたしています。
またその潤滑剤は「関節包」といわれる袋の中に存在し、関節内部の動きを滑らかにするのと同時に、栄養の供給も行っています。
そんな「軟骨」には、スポンジのように細かい穴が空いている組織で、その穴に潤滑剤である「滑液」といわれるグリスが染み込んでいます。
つまり、「肩関節」の動きを良くするためには、この「滑液」が滲み出るように圧力をかけてあげれば良いわけです。
反対に、このグリスが出ていなければ動きは悪くなる可能性が出るということです。
ところが、日常生活をしているだけでは、通常グリスを出すような行為をあまりしないため、野球選手のように通常の生活では考えられないようなストレスをかける中で、放置してしまていては問題が発生します。
体は自分にとってのデメリットがあると、防御しようとします。
その結果、体が自動的に肩を動かしにくくするようにします。
これが「張り」や「コリ」の正体です。
または、もう少し症状が進めば「関節炎」などを引き起こします。
もっと最悪なケースはいわゆる「野球肩」と呼ばれる症状を発症するでしょう。
ではそんな最悪の事態に発生しないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
それは、
「関節」を安心させることができれば解決する
ということになります。
「もっと動いても大丈夫なんだ」と「自分の身体」に対して教えてあげることが大切だということです。
ではどうすれば「肩関節」を安心させてあげることができるのでしょうか。
実は簡単ですぐにできてしまう方法があります。
ぜひ今すぐ実践してみてください。
まずはテーブルを目の前にして起立した状態をとります。
そしてどちらか一方の手を突きたててください。
そしてごくごく優しくジワーっと体重をかけます。
このまま5秒数えてください。
体重をかける時の注意として、「体重の20分の1」くらいの重さしかかけてはいけません。
たったこれだけです。
たったこれだけで、あなたの肩にはたくさんの「グリス」が出てきます。
嘘だと思うでしょうね。
実際にやって「肩関節」を動かしてみてください。
さっきより軽くなっていることにすぐ気づくことになるでしょう。
騙されたと思ってやってみてください。
人の体って不思議ですよね。神秘です。
▼詳しくはコチラ▼
たった5秒で「肩」の動きを良くする方法 ~「軟骨」を知れ!~
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